だいたい、僕が上級者コースを滑れるはずがない。
皆でリフトに乗って登って行く時から嫌な予感はしていた。それでもひとりだけ滑れない僕を置いて、
僕以外の皆はさっさと滑り降りてしまうなんて事態までは予想していなかった。
もっと思いやりのある奴らだと思っていた。
僕は今、冬の山を当てもなくさまよっている。
遭難ですか? そうなんですってなもんだ。
コースに沿って降りて行けば大丈夫だろうと考えていたのに、
いきなりの吹雪のせいで明らかにコース以外のどこかに迷い込んでいる。
冬の雪山でスキーウェアだけを頼りに吹雪を凌ぐ事ができるだろうか。
ボードも他の荷物もどこかへ飛ばされた。何が何でも歩いて帰るしかない。
死んだら僕を置いていった奴らを祟ってやる。なんて事を考えていた時だった。
白い吹雪の向こうにボンヤリと明かりが灯っているのを見つけた。
(助かった!)
氷の棒になりそうだった足を奮い立たせて、ずぶりと沈み込んでしまう雪を蹴り立てながら全速力!
明かりはログハウスから漏れていた。
ノックもしないでドアが開いているのを確かめた僕は、とにかく大急ぎで室内に飛び込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・ふう」
ピリピリする外の冷気とは一変、むわっとするくらい暖かい空気で息を整える。
そうしてから落ち着いた頃に、足元に大きな犬が擦り寄ってきていたのに気付いた。
金色の毛並みの大型犬。確か、ゴールデンレトリバーって奴だ。
「あら、お客さん?」
犬の頭を撫でていた僕は綺麗な声にハッとした。
顔を上げると二十何歳くらいの女の人が立っていた。
美人だった。顔は少し掘りが深くて長髪、肌が物凄く白くて印象的。
スタイルも、見た途端ボン・キュッ・ボンって死語を思い出したくらいだ。
暖かい室内に頼った白いノースリーブのワンピースがお嬢様然とさせている。
僕はしばらくポーッとなってからやっと頭を下げた。
「すみません、勝手に入って。あの、僕、道に迷ってしまって。外は吹雪だし。
それでこの家を見つけちゃったもんだから、つい」
見っとも無く必死になって弁解する。けど、女の人は落ち着いた様子で笑ってくれた。
「そう、大変だったね。冷えてるんじゃない? 気にしなくていいから、ゆっくりしていって」
(ああ、良い人っているんだなあ)
正に僕にとっては女神様だ。女の人は大きなタオルを持ってきて差し出してくれた。
「濡れた服を着たままだと風邪をひくよ。とりあえず脱いでこれを体に巻いておくといいわ」
「え、でも」
確かに外の吹雪はウェアの下の服にまで届いて全身が雪まみれになってしまっていたし、
渡されたタオルも厚くて充分暖かそうだったけど、女の人の目の前で着替えるわけにはいかない。
そう伝えたら、笑いながら別室に案内してくれた。
着替えた、というかタオル姿になった僕はリビングに戻ってきた。
脱いだ服は女の人に渡すとどこかへ持っていってくれた。聞くと、乾燥機が置いてあるらしい。
リビングには暖炉もあってひろびろとしている。犬も一匹だけじゃなくて全部で五匹もいた。
どれも大型犬だけど犬種は色々だ。
沢山の犬に囲まれながら暖炉のある部屋で温かな紅茶を飲むという優雅な状況で、僕らは楽しく話をした。
彼女の名前は白井雪香(しらいせっか)さん。似合い過ぎてる名前だけにもしかしたら偽名かもしれない。
ちなみに僕の名前は妹沢(せさわ)なかば。名前は半と書いてなかばと読む。
珍しいから気に入ったのか名前で呼ぶ事にしてくれたそうなので、僕も雪香さんと呼ぶ事にした。
「なかば君は友達と旅行でここに?」
「じゃなくて、高校の修学旅行です。途中までは皆とも一緒だったんですけど。
この家を見つけなかったら、本当に危なかったです」
「私もびっくりした。ここに誰かが迷い込んでくるなんて、最近数十年はなかったから」
(数十年?)
数十日の聞き間違いか、冗談だろう。雪香さんは話も巧くて、
緊張してしまう僕をリードしてくれるから話しやすい。
そんな事を話していて時計を見たら一時間経っていた。
「雪香さん、あの、そろそろ僕の服、乾いてませんか? ずっとこの格好ってわけにもいかないし・・・・・」
「え、別にいいじゃない? それとも寒かった?」
「寒くはないですけど、タオル一枚じゃ、その、失礼ですし・・・・・」
一応、タオル一枚といってもトランクスは穿いたままにしてある。
雪香さんは唇に指を当てて、ふーん、と唸ってからとんでもない事を口にした。
「でも、もうなかば君の服は燃やしちゃったよ? 代わりの服もここにはないしね」
「なっ!?」
僕は信じられない思いで飛び上がった。
ふふっと笑って「冗談よ」と継いでくれるのを期待したけど、雪香さんは挑戦的な、何
か酷く企みがあるような目をして笑っているだけだ。
彼女の様子が今までの親切なお嬢さんという雰囲気から、明らかに妖しい雰囲気に変わった。
雪香さんが暖炉を指差す。暖炉の炎の下に見覚えのある青いスキーウェアの切れ端が、かろうじて残っていた。
「いつの間に!」
炎の下から服を取り返そうとしたけど、五匹の犬が暖炉の前に立ちはだかった。
犬達に気圧された僕の背に柔らかい物が圧し掛かる。柑橘系の爽やかな淡い香りと共に。
今更だけど、何故この人はこんな山奥に独りで住んでいるんだ?
「黙って服を燃やしたのは悪かったけど、どうしてもここにいて欲しかったから」
僕のタオルが後ろからはらりと落とされる。
繰り返すけど、雪香さんは美人だ。そんな人にほとんど裸の体に抱きつかれたら、
男である僕はどうしても期待してしまう。するなっていうのが無理だ。
僕のナニ・・・・・要するにペニスがトランクスにテントを張った。
「誰かが来るのをずっと待ってたの。私もこの子達もね。だから、ね?」
耳元に息を吹きかけながら妖しく囁かれて、内容はほとんど頭に入らなかった。
(服燃やされたの、怒らないと・・・・・でも、それで機嫌を損ねさせたら・・・・・)
緊張して体が動かない。ここはもう、成り行きに任せる事にする。
犬達もじっとこちらを見ているだけで動く素振りを見せない。かなり巧く躾けられているみたいだ。
雪香さんの手が僕の前に伸びた。
「うあっ」
「凄い、敏感」
白く細い指に先端を触られてペニスが痺れた。
トランクスの上から撫でられるとジリジリと快感が沸き上がってくる。
「ううぅ・・・・・」
偶然迷い込んだ山小屋でこんなに美人で妖しい人に迫られる。
空想じみたシチュエーションがさらに僕を高めさせる。
「さあ、これも脱いじゃって」
雪香さんがトランクスをつかんで引っ張った。
僕は少しだけ抵抗をしてみたけど・・・・・力任せに引き千切られた!
ボロ布になったトランクスは暖炉に投げ入れられる。
(こんなに細いのにどこにそんな力が?)
怖い様な気もした。
とにかくこれでもう僕の服は全部燃えてしまった。もちろん今の僕は真っ裸だ。
「かわいい顔して、立派に堅くできるんだ」
「あ、ああっ、あ!」
ペニス全体を握られて思わず体が仰け反った。
雪香さんは前へ回って跪いたかと思うと、赤い妖艶な唇を割って、ゆっくり先端に近付いてきた。
「雪香さん、そんな、汚いですよ」
期待していた以上の奉仕に動揺する僕に、雪香さんはふふっと淫らな笑みを見せた。
まず舌が鈴口に当たる。次いで、唇が傘を飲み込む。ぬるりと全体が口内粘膜に包み込まれた。
柔らかく暖かく湿っぽく、生き物の様に纏わりついてくるものに包まれている。
今すぐにでも爆発してしまいそうで、僕は声を上げる余裕もない。
ちゅばっ、と音を立てて鈴口を吸い出しながら唇が引かれる。
じゅぷっ、と唾液と先走り液が混ざった粘液を泡立てながら唇に飲み込まれる。
そうしながらも舌はまるで別の生物の様にペニスをぬらぬらと這い回る。
(これがフェラチオ・・・・・凄すぎる、これ!)
「雪香さん、もう僕、我慢が・・・・・。出るっ! もう、イきますっ!」
ペニスを中心に全身の筋肉が引き攣る程の快感にわななきながら、無意識に腰を前へ突き出してしまう。
雪香さんの動きがさらに速くなった。
「んっ、ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷっ・・・・・んうぅっ!?」
快感と一緒に下腹部から熱いものがペニスを駆け抜けて、噴き出した。
びくん、とペニスが跳ねる度に雪香さんの粘膜を擦って、それが先端へのさらなる刺激になる。
裸の僕はワンピースの美女を股間に押し付けて、その口に精液を思いっきりぶちまけた。
射精が落ち着くと、いつもの脱力感と同時に罪悪感が僕を包む。
「す、すみません、雪香さ・・・・・んむ!?」
謝ろうとした僕の口は、抱きついてきた雪香さんの唇に塞がれた。
そのまま、凄い力で押し倒される。雪香さんを上に組み敷かれる形で床に転がった。
「む、んふぅ」
どっちのものともつかない熱い吐息。
雪香さんの舌がするりと口の中に潜り込んできた。青臭い大量の粘液と一緒に。
(ぼ、僕の!?)
唇がぴったりくっついて隙間の無い中、舌で精液をぐちゃぐちゃと掻き混ぜる。それも僕の口の中で。
苦くてネトネトしたそれを自分で口に含むのは嫌だけど、こっちの舌に絡み付いてくる舌の巧みな動きのせいか、
不思議と興奮させられた。
そうしている間にも唾液と精液がさらに流し込まれてくる。
もう僕の口の中は雪香さんから移された粘液で一杯だった。嫌でも生理現象で喉が動いてしまう。
(自分の精子・・・・・飲んじゃった)
酷い屈辱感だった。けど、掻き回されて絡まされる舌は無理矢理精液を味わわされて、
そのあとは追加される粘液に押されてどうしても喉へぬめり落ちてしまう。
(嫌だ、嫌だ!)
「むうう! んむう!」
雪香さんを押し退けようとして気付いた。僕は物凄い力で押さえ付けられている。
「んんん! んんん!」
喉にはどんどん粘液が入ってくる。違う。僕じゃない。いくらなんでも僕はこんなに出していない。
得体の知れない恐怖が湧き上がった。
(放せ! 離れろ! 放せぇ!)
ごくっ、ごくっ、と喉を鳴らす度に、体が奇妙な感覚に捕らわれる。
胸が熱い。ペニスの感覚がおかしい。体全体にも、何か違和感がある。
ミニペットボトル一本分くらい飲まされた気がした頃、ようやく雪香さんの唇が離れた。
彼女の舌と僕の舌が名残惜しげに白い糸で繋がっていたのが見えた。
「どう、おいしかった? ふふ、もっとかわいくなっちゃったね」
小悪魔の様に微笑む。
(もっとかわいくなっちゃった?)
何故かボーっとする頭で言葉の意味を探すけどわからない。
起き上がれなくて寝たままでいると、背中から支えられて上半身を起こされた。
「どういうふうに生まれ変わったか、自分の目で見なさい」
背中から回された手でピンッ、と乳首を弾かれた。
「ああっ! ・・・・・え!?」
胸からの痛みと快感以上に、自分の喉から出た声に驚かされた。
高くて頼り無い、まるで女の子みたいな声・・・・・。
そういえば、同じくらいの身長だったはずなのに、後ろにいる雪香さんの頭は僕のずっと上にある。
床に座り込んでいる体勢は、大して変わらないのに・・・・・。
自分の体が何か普通じゃない事態になっているのがわかる。見下ろしてみてはっきりした。
胸が、男のはずの僕の胸が、なだらかなカーブを描いて二つの僅かな膨らみを築いていた。
控えめだけど形の良い、白い丘。頂点の淡い桜色の円と突起も控えめで小さい。
肌の色も違う。元々黒い方ではなかったけど、さらに白くなって、
きめ細かい上に見るだけでわかる様な柔らかさがあった。雪香さんより綺麗な肌かもしれない。
腰も体も細くなってしまっているし、太股は触ってみるとぷにぷにした弾力を返してきた。
そして僕はそこを見た。
「あああ・・・・・嘘だ・・・・・」
何にも無い。あるはずのペニスが無くなっていた。
いや、何にも無くはない。両足の付け根の部分にぴったり閉じた割れ目の筋が走っている。
どう考えても男の体じゃない。
(女に・・・・・女になってる!?)
窓を見るとガラスに薄く顔が映っていた。
雪香さんの顔の前に映っているのはショートカットのかわいい女の子で、
大人しそうな印象を与える大きな目を、信じられないものを見るかの様に見開いている。
まだ幼さの残る顔や身長から、年齢は小学生か中学生かといった辺り。
その女の子を捜して僕がキョロキョロ首を振ると、ガラスの中の女の子も同じ様に首を振る。
この、腕や足どころか陰毛を含む無駄毛が全く無い体も、ガラスの中の美少女も、
間違いなく、今の、僕の姿だった。・・・・・いや、そんなはずがない!
「嘘だ! 嘘だあぁ!」
「嘘じゃないの」
「う? ふうぅ!」
ガラスの中の美少女の口が塞がれた。その目には薄く涙が浮いている。
僕の口も雪香さんの手に塞がれた。目の端から頬へ水が伝うのがわかる。
美少女の後ろの美女がふっと笑った。
「女の子が来てくれればこんな手間もいらなかったんだけど。
ううん、こんなにかわいい子が来てくれたんだから、贅沢を言っちゃいけないね。
喜んで楽しませて貰うよ、なかば君・・・・・それともなかばちゃんかしら?」
(ふざけるな!)
「んぐうぅう!」
叫んでも口の中で篭ってしまって意味不明の唸りになってしまう。
こんなに簡単に男が女になってしまうなんて現実にあるだろうか?
(信じない! 嘘だ、嘘だ、嘘だ!)
とにかく、ここは危ない!
僕は腕を振り回して大暴れした。けど、背中から雪香の腕を回されて、
逃げるどころか立ち上がる事すらできない。片方は口を塞いでいるから片腕だけで僕を抑えている事になる。
「じっとしてなさい!」
もちろん、言う事を聞く訳がない。
「そう、そんなに暴れるなら仕方ないわ。エク!」
多分、犬の名前だろう。雪香に呼ばれたゴールデンレトリバーがどこかへ走っていった。
あとの四匹はそれまでと同じ様にじっとお座りしている。
戻ってきた犬のエクは細いロープを咥えてきた。
嫌な予感がして僕は一層強く暴れた。一瞬口を塞いでいた手が離れる。
「そんなの何にするんです! 放せ、変人! 変態! 化け物!」
ありったけの罵倒を雪香に投げつける声は、何故か女の子の涙混じりの声だ。
「静かにしなさい!」
乳首をぎゅっと捻られる。
「いっ、うああ!」
敏感な突起が曲げられる激痛。
「いたっ、いいいぃ・・・・・」
(ち、千切れるぅぅ)
容赦のない力が堪らなく怖い。
やっと指が放れたかと思うと無理矢理うつ伏せにされた。両手を掴まれて背中へ回されてしまう。
「これでよし、と」
素早く両手首が縛られた。
引っ張っても手首が痛くなるだけ。後ろ手に縛られた状態からもう動かせない。
(逃げられない・・・・・?)
これから何をされるんだろう・・・・・。
怖くて怖くて何とかして逃げ出したいのに、捻りから解放された乳首が、
何故かジンジンと心地良く疼いている気がした。
雪香はしばらく僕の背中に乗って縛り具合を確かめていたけど、満足したのか、
今度は自分がどこかへ行ってしまう。
チャンスだ。今なら逃げられるかもしれない。
腕は縛られているし外は吹雪で僕は裸だけど、とにかく、とにかく逃げないと。
けど、少し身じろぎしたところで、さっきの犬が僕を踏みつけた。
(犬なんかに・・・・・!)
それでも大型犬は踏むだけで僕の自由をさらに奪ってしまう。
犬の下で無様に、自分でも思うくらい無様にあがいていると、雪香が戻ってきた。
「あはは、まだ早いよ、エク」
あいつが笑いながら言うと犬は簡単に僕から離れた。
雪香はゴロゴロとローラーの音を立てて、廊下から大きな鏡を運び入れてきた。全身用の大きな鏡だ。
「この部屋じゃないと寒いから、持ってきてあげたよ。御礼は言える、なかばちゃん?」
「ふざけるなよ! 今ならまだ許すから、縛ったの解いて代わりの服を出せよ!」
「ふーん、まあいいわ。これからきちんと躾けてあげるから」
言いながら大きな鏡とソファーが向かい合う様に調節している。
「何するつもりだよ!」
「ふふふ、い・い・こ・と。うん、こんなものね」
鏡とソファーの位置に納得したらしい。
僕をひょいと持ち上げて、ソファーに座った自分の上に乗せた。僕が雪香の膝に座らされた体勢だ。
暴れさせていた僕の足にはあいつの足が絡んでくる。手に続いて足の動きまで封じられた。
顔を上げたくない。見るのが怖い。
「ほら、見なさい」
なのに、顎を掴まれて強引に顔を上げさせられた。
「あ、ああ・・・・・」
鏡の中には、美女の上に乗って後ろ手に縛られ、両脚を広げさせられた裸の美少女がいた。
控えめな膨らみも桜色の突起も閉じた幼い性器も、隠すべきところがさらけだされていた。
「嘘だ・・・・・違う・・・・・嘘だ、僕じゃない!」
僕が叫ぶと、それに合わせて鏡の美少女も口をパクパクさせる。
僕が頭を振ると、鏡の美少女も頭を振って涙の雫を散らばらせる。
「認めなさい。これが生まれ変わったなかばちゃん。この胸も、ほら」
美女の両手が美少女の胸へ伸びた。ゆっくり撫でる様に手の平を滑らせる。
手の平が通り過ぎたところがほわっと暖かくなる。
何度も何度も同じところを滑る度に、暖かさが大きくなってくる。
くすぐったさと奇妙な感覚に、僕は手から逃げるように身を捩らせた。鏡の美少女が頬を赤くしてクネクネ動く。
「うああっ!?」
突然、胸から送られてくる刺激が強くなった。
鏡の中では、美女の手が美少女の左右の乳首を擦り立て始めていた。
雪香の親指以外の四本の指が、指の腹で擦るように僕の乳首の上を往復する。
指の腹が乳首を弾く度にぴりっぴりっと疼きが沸いては消えて、すぐにまた沸くを繰り返す。
(じんじんする・・・・・乳首がじんじんしてるぅぅ)
「気持ちいいんでしょう? 女の子の胸の感覚はどう?」
「違う・・・・・僕は女の子じゃない。女の子なわけないぃ・・・・・」
「強情ね。・・・・・これでも?」
美少女の股間に手が覆い被さった。僕の股間も、雪香の手に包まれて、摘まれて・・・・・。
「あ、ああっ! そこ、触るなぁ!」
「触らないと説明できないよ。いい? まずこれが大陰唇。なかばちゃんのは大って言う程大きくはないけどね」
「やめ、ろぉ」
閉じたそこを撫でられてもくすぐったさと嫌悪感しかない。
美少女の割れ目に指が二本添えられた次の瞬間。
ニチャッ。
「御開帳〜。ねえ、今の聞こえた? なかばちゃんのオマンコがいやらしいよだれを粘着かせた音。
乳首を弄られたぐらいでこんなになるなんて。女の子になったばっかりなのに、すっごい淫乱」
片手で胸を嬲りながらさらに雪香の指が美少女の性器を綻ばせる。
外側が広げられてもくっついたままだった左右の小陰唇が粘液を引いて広がるのが見えた。
小陰唇も、その奥も、綺麗なピンク色をしていた。うっすらと膜を張って光沢を放っているのは美少女の分泌物だろうか。
「僕じゃない。他の女の子・・・・・他の・・・・・」
「まだそんな事を言ってるの? よく見なさいよ」
雪香が手を伸ばして鏡を近付けた。
僕達の足の間に鏡があって、首を伸ばせば美少女にキスできそうな程の距離・・・・・。
「この小さな胸もこのかわいいオマンコも、なかばちゃんのモノなの」
鏡の中の美少女。僕と同じ格好と表情をしているかわいい女の子。
「これが・・・・・僕?」
ショートの髪の下で細い眉と大きくて素直そうな目を可哀想なくらい歪ませているこの女の子が、僕?
乳首を擦られる度にかわいく身じろぎするこの女の子が、僕?
抱き締めたら折れそうなくらいか弱そうなこの女の子が、僕?
幼い性器に雪香の指を挟んで粘液に光らせているこの女の子が、僕?
僕の体が刺激されるとぴくぴく反応するこの女の子が、僕?
(僕なんだ。女の子に・・・・・なっちゃったんだ)
「わかった? これがなかばちゃん」
「やだ・・・・・やああぁぁああぁぁぁあああ!」
僕は取り乱した。取り乱さない方がおかしい。
でも、取り乱しても僕にできる事は、手も足も拘束されたか弱い女の子にできる事は、
俯いていやいやするくらいしかない。
「そうそう、説明が途中だったね。このピラピラが小陰唇」
雪香の指が僕の、僕の小陰唇を摘み上げた。
「ひあっんぅ!」
痛みの様なそうでないような鋭い感覚。
「そんな、とこ、さわ、るなぁ」
「この中が膣前庭で、ここが膣口ね。この奥はお預けにしときましょ」
指が左右の小陰唇の間を往復する。
ペニスを弄られるのとは違う、何かこう、気持ち良さが表面から体の内側に染みていく様な。
鏡の中の僕の口からはよだれが零れていた。頬は赤くなって、目はとろんとしてきてる。
(僕のヴァギナが雪香の指を挟んでるんだ・・・・・)
無理矢理されて嫌なはずなのに、そう思えばそう思う程、
鏡の中の美少女は嫌がるのを強引に弄られているんだ、と他人事の様に興奮してしまう。
トロッと体の奥底から何かが流れ出るのがわかった。お漏らしをしてしまったのかと思ったけど、そうじゃない。
粘液の塊が膣内を這い出たんだ。
くちゅっ・・・・・くちゅっ・・・・・くちゅっ・・・・・。
股間を擦る指の感触がぬるぬる滑るようになった。
「ふあっ、んん、ふぁふ・・・・・やめ、てぇ・・・・・」
言葉と裏腹に勝手に腰が指に押しつく。
意識的にしてるつもりはないけど、指で擦られるのは気持ちがいいけど、
女の子として感じたりしたくないけど、男の時には感じた事のない快感があるけど・・・・・。
「もう良くなったの? なかばちゃんは体がエッチにできてるのね」
(女の子の体が、いやらし過ぎるんだぁ)
鏡を見てると本当にそう思うけど、それは僕自身の姿。女の子にされたのに喜んで嬲られたりなんてしたくない。
「エッチなんかじゃ・・・・・ない。良くなんか、なってない、のぉ」
いやいやする自分が鏡に映って、また僕の股間から愛液が漏れた。
「ふふふ、そう? じゃあ安心して最後の説明ができるね。この小さいのが尿道口。そしてこれが・・・・・」
股間から電撃が走った!
「うやああぁぁぁああ! 痛い! 痛いぃ! 触らないでぇ、擦らないでぇぇ」
「痛い? ならどうしてこんなに溢れてるの?」
親指と人差し指でそこを摘みながら中指でぐちゅっぐちゅっ、と音を立てられる。
「知らないっ、知らないよぉ。ふあぁ!」
「気持ちいいんでしょ? クリトリス弄られて感じてるんでしょ?」
包皮ごとペニスの様にしごかれる。
「やあああぁぁぁ・・・・・違うぅ、違ううぅ」
叫びながら、僕は鏡から目が離せなかった。肌を紅潮させて乱れる美少女は僕だ。
僕だけど、淫らで、やらしくて、僕を興奮させる。
(クリトリス、気持ちいいよぉ。なかば、弄られて感じてるよぉ)
この美少女が、こんなことを考えてたら・・・・・。
「素直になった方が気持ち良くなれるわよ? クリちゃんがいいんでしょ?」
「ちが、うぅ。違うぅ、ふあっ、ちがああぁぁぁふうぅぅ」
エッチな女の子だったらどう答えた? 鏡の美少女が淫乱で快感の虜だったら?
(クリちゃんいいの・・・・・もっと弄って。なかばのクリちゃん、滅茶苦茶にしてぇ!)
口では否定を繰り返しながら、僕は鏡の中の美少女になりきっていた。
今すぐ僕を犯したい。でも犯せないから、代わりに、もっと、もっと、もっと!
(乳首もいっぱい触って! オマンコもぐちゃぐちゃに掻き混ぜて! もっと感じたい・・・・・
なかばをもっといやらしい女の子にしてぇぇぇええ!)
「いい顔になってきたね・・・・・感度もいいし。凄くかわいいわよ、なかばちゃん」
ふうっと耳に息をかけられたのを合図に、僕は、淫乱な美少女なかばは、
波があった快感が引かずに強く溜まっていくだけになったのを感じた。
「そろそろイっちゃう?」
クリトリスを擦る指が早く強くなる。包皮の中でそれはさっきよりも大きく、敏感になっているみたいだ。
激しい擦り立ては最初にされてたら本当に痛いだけだったと思う。
けど今は強い快感になって、底無しに体に溜まっていく。
腰が震える。お腹からつま先までお湯に浸かったみたいに熱くなる。
気持ちいいから、もっともっと気持ち良く。それしか考えられない。
快感が溜まっていく。怖くなるくらいに、どこまでも、どこまでも。
「イク! イク! イクのぉ! なかば、女の子にされて、オマンコ弄られて、イっちゃうのぉぉおぉっ!」
頭が真っ白になった瞬間。
ジャッ! シャアアアァァァァァ・・・・・。
イクのと同時に僕の股間から黄色い液体が噴き出した。ぷん、と尿の臭いが立ち昇る。
「あぁ・・・・・おしっこ、出てるぅ。なかば、イきながらお漏らししちゃってるよぅ・・・・・」
(こんな・・・・・女になった上にイかされて、お漏らしまでするなんて・・・・・)
いつの間にか、頭と口が逆になってしまっていたけど。
恥ずかしいし、確かに嫌だったけど、それでも絶頂の余韻と、膀胱がしぼむ解放感と尿道への刺激は快感だった。
思いの他溜まっていたみたいで、わりと勢い良く出たおしっこは鏡の美少女にまで届いていた。
自分という美少女を陵辱している様な、不思議な倒錯感。
「良かったわよ、なかばちゃん。本当にいい子を見つけたわ」
上に座った状態でお漏らししてしまったのに、雪香さんは微笑んでなかばの頭を撫で撫でしてくれた。
僕は余韻に浸りながら、鏡を滑り落ちていく液体をボーっと眺めた。