何事もなく一日が過ぎるのは当然のこと。
何事かあればあれば一日を過ごすことも難しくなるだろう。
15という数字には何の意味もなかったが、日曜日であるということは重要だった。
まだ日付は変更されたばかりだったが、少女はPCの前で全裸で待機していた。
「ミィ様、かわいいよミィ様」
いつものようにネットジャンキー宜しく、少女はキーボードを叩く。
「ミィ様は俺の太陽なんだ!」
輝いた目で、体が軽いせいか、秒速5.1文字ほどの速さで入力していく。
体が慣れればもう少し早くなるだろう。
それは朝の8時30分まで続きそうな勢いだったが、ふとキーボードの手が止まる。
「…作画さえ、良ければ…」
唇をかみ締める。
先週の悲しみは拭おうとしても拭い去れるものではない。
とはいえ、1クールまでは作画崩壊が改善する見込みがない以上、覚悟はしなくてはならない。
同じ時間帯には白と黒も放送しているはずだったが、こちらも作画に期待することは出来ないだろう。
ネタサイトに煽りを入れることで溜飲を飲むことにした少女は、サイバーシンドロームにアクセスして匿名プロ串を漁ることにする。
流石に日曜だけあって重い。
しかし。
「ふたご姫で抜くなんて人として終わりだと思う」
こんなレスをつけられたら人として冷静になるほうが無理というものだ。
ひとはどれみで抜けるんだ。
その気になればナージャでも。
誰かがそれを否定するなら、誰かがそれを証明しなければならない。
AA爆撃庫スレから適当なAAと文章を見つけ出し、
プロキシを切り替えて多人数に見せかける用意も終わったところで送信ボタンを押そうとしたときだった。
「…ぇーと………」
困ったような、少女の声。
それは実際の声だったのか、意識に直接響くのか。
とにかく、目の前には昨日の少女が立っていた。
使い回しされるセル画のごとく、思考も使い回しされるものなのだろうか。
ともかく、捻りもない登場で現れた少女は、捻りもなく言ってくる。
「どうしていつものままなのよ!」
いつもって?
そもそも本当に捻りはないのか、試行錯誤した結果が捻りのないように見えるのか、誰が断定出来るだろう。
言われてから、自分が女性化していたことに気付く。
例え自分自身の思考であったとしても、無意識で必ず捻らないと保障できる証拠がどこにあるというのか。
あの後はオナニーしっぱなしで大変だった。
誰かが分かるなら意識、でも誰もが分からないなら無意識だ。
悔しい…でも…感じちゃうっ………!
「器用な考え方するね…」
思考がクリムゾンコミックスになってきたところで、少女が半眼で告げる。
やっぱり目の前の少女はこちらの思考が読めるらしい。
どうして、という意味はあまりないように思えた。
さっきまで自分は部屋に居た。
それは元のままだと実感できる。
だが、それは自分自身わけの分からない感覚で、純粋に視覚として見えるのは何もない空間と目の前の少女だけだった。
純粋、といえるかどうかは怪しいものだったが。
「…『変わっている』って、自覚はあるようね。それはそれでいいんだけれど」
少女が見据えて言う。
そこには威圧が見えるわけでもない。
声音に変わったところがあったわけでもない。
だが、自分が知らない自分の何かを計って見透かしている、それが分かった。
ミスカッション。
思いついた英語っぽい言葉に意味があるわけではなかったが。
「もうちょっと反応があるべきよ。こんなことは滅多には起こらないのだから」
普段なら知らない人間に対して話してみようとは思わない。
返答する気になったのはやはり思考か、この空間そのものが本当は無意識であるためか。
「そんなこといってもな…」
外に出ない生活を送っていたため、買出し以外は外に出る必要はない。
プリキュアのガチャガチャやふたご姫のカードを買うには便利だろう。
森羅万象チョコを買うには勇気が要るかもしれない。
エロゲはむしろ買いに行きたい。
部屋については今後も誰か入れるわけではないのだからどうでもいい。
「しばらく積みゲ崩しかな…」
やっぱり外に出るには心の準備は要りそうだ。
だがそれは女性化していなくとも同じだったが。
考えてみれば写真を撮って釣りスレ立てたり、使い道はなんだかありそうだった。
「まあそれはいろいろ考えるとして…いつごろ戻れる?」
ふと疑問を口にする。
「戻れるとか思ってるの?」
呆れたような声で、少女。
「戻れないと困る…オナニーとか出来ないし」
「ぇと」
返答に困った少女に対して理屈を言おうとしたが、手っ取り早い方法があったことに気付く。
要するに思い出せば良いだけの話だった。
(ちんぽっちんぽいいっ!! ちんぽっちんぽみるくでちゃいますぅぅう!!
らめっらめぇぇええぇえ! おちんちんがっ私っ! みおっみおおちんぽバカになっちゃうぅっ!
おっぱいもっあうっおチンポもきっきもち…き゛も゙ぢい゛い゙よおぉ…
それにおっぱゃいみゆくも出てるゅう゛うっっ ちんぽまんこあなるおっぱいき゛も゛ち゛ぃいいのお゛これさいこお゛〜お゛う゛おお゛う。
これいいよ゛お゛お おちんちんとおまんこりょーほうイっちゃうのらめえ゛ええらめなゃのに゛いい゛
とろとろちんぽみゆくなかにいっぱいザーメンしながらまんこみゆくいっしょにでちゃうよお゛おお゛はああ゛っっ!! )
「ぇと、黙って。分かったから…」
なんだか分からない空間で、例によって眼前であっても少女の表情は見えにくい状況ではあったが。
彼女が顔を赤くしていたように思えたのは錯覚ではないだろう。
でも男なら誰でも一度はみさくらなんこつのキャラになってオナニーすると思うんだ。