「先輩!九条先輩〜!ねぇ〜、弘美先輩〜」
・・う、うるさいな・・・・俺は九条じゃねぇ。桐生だ!・・・・
体が揺れる。耳元で突然の声に反応する貴章。だが自分名前が違う・・何故?
「うるさい!・・・・って由香?」
突然、大声を出して飛び起きる。目の前には驚いて、目をウルませている由香がいた。
・・・な、なんでお前、講義は・・え?その格好・・・
服装が違う。よく見れば、セーラー服を着ている。
「あーー、良かったぁ。先輩が死んじゃったかと思って、由香は心配してたんですぅ」
うるうる目の由香は、溜まった涙を拭くと貴章に抱きついた。後輩が女子高生?
事態が把握できない貴章にさらに追い討ちが起きた。
「もう、ちょっとうたた寝してた所なのに、邪魔しちゃって・・コイツ!」
「きゃ!お姉さまの意地悪〜♪」
・・・な、なんでこんな・・・・・
貴章は混乱していた。自分で思った事とは違う言葉と行動がでたからだ。
・・・・まさか、乗っ取られた?・・・・
ここはどっかの学校の屋上。入り口の段差の所に腰かけて座っている、二人の少女がいるだけだ。
「先輩!もうすぐ授業が始まりますよ。いいんですかぁ?またサボって・・・」
「いいのよ。だってつまらないじゃない、退屈な授業なんか出たって損よ。
それよりも由香、あなたの方こそ戻ったら?先生が五月蝿いんじゃない?」
「いいんです。先輩と一緒なら幸せですぅ♪」
由香はじゃれ付く猫のように、弘美に体を擦りつけた。
「ん・・しょうがないなぁ、由香は。言っとくけど、あたしにはそんな趣味はないからね」
「きゃっ!そんな事を言って好きなくせにぃ〜♪」
傍から聞けば恥ずかしいくらいだが、誰もいないのか、彼女達はお構いなしである。
・・・たくどうなっているんだ? 本当に自分の体ではないのか?・・・・
貴章は自分が確かに女になったはずなのに、今は自分の体ではない感覚に戸惑っていた。
何より今の姿がどうなっているのか検討もつかなかったからだ。
「あ、先輩!顔に何かついてますよぉ〜?」
「え、そう?」
由香に突然言われて、弘美は側に置いていた鞄から手鏡を取り出すと、顔を覗き込んだ。
・・・う、あぁぁぁ!!お、俺じゃん!!・・・・
鏡に映ったのは変化した時の自分の顔だった。間違いない、この体は俺だ!と貴章は思った。
うーーん、何かの埃かしら・・何時の間に・・・」
「先輩〜!しっかりしてくださいよぉ。お美しい顔にキズが付くなんて由香は耐えられませぇ〜ん」
由香は半べそを掻きながら弘美に抱きつく。
「ちょ、ちょっと・・・・もう、由香ったら」
半ば呆れ顔になるも、弘美は由香の髪を優しく撫でるのであった。
・・・・うがぁ!!冗談じゃねぇ!俺の体だ!返せぇぇぇ!!・・・
弘美の頭の中?では貴章が叫んでいた。
・・・ちくしょう!動け!!動けぇぇ・・・・
「先輩っていい匂いですぅ〜♪今度、由香と遊んでくださいね」
「こ、こら由香!もう、そんな趣味ないって言っているでしょ?・・あ、
胸を揉まないでよ」
「はぁ?あの〜、先輩?あたし、胸を揉んでいませんけど・・・・」
突然の言葉に顔をあげ、不思議そうな表情の由香。
「え?・・・そ、・・・ぁん・・んん」
「せ、先輩?・・・」
由香は突然の甘い声に驚く。ふと見れば顔を赤らめ、自分で胸を揉む弘美の姿が映った。
・・・・はぁはぁ・・・手は動くようだな・・・
「・・・な、なんで・・・ちょ、ちょっとぉ〜」
今度は弘美が混乱している様子だった。突然自分の手が動いたと思えば、いきなり胸を鷲掴みして揉みだしていたからだ。
・・・・んん・・・柔らかい・・・・
制服越しとはいえ、揉む度に電気のような刺激がくる。自然と胸を揉む速度が上がる。
「・・・んん・・ぁぁ・・・な、何???」
甘い感覚に弘美は喘ぎ声を出し続ける。手を止めようとしても止まらない。
・・はぁはぁ・・・アソコに・・・
スカートの中にも手が伸びる。
「んん・・・ぃや・・・あぁああ」
頬を赤らめながら、いやいやと言うポーズは取るが手は勝手にショーツの中に侵入してくる。
由香は弘美の自慰? を唯見つめるだけだった。
・・・んん・・・はぁはぁ・・・・・
「はぁぁぁ。ぃやぁ 、駄目ぇぇ・・・どうしてぇ?・・・ぁぁああん・・・・」
何時の間にかブラウスは端だけ、白い肌が剥き出しになっていた。
「せ、先輩!!落ち着いて!」
由香は目の前の様子がただ事ではないと解ると手を押さえつける。
「はぁはぁ・・・・俺の体だ!触るなぁぁ!」
「な、せ、先輩・・?」
突然弘美が睨んだかと思えば、言葉使いが変わった。
驚いた由香は掴んだ手を離す。
「う、はぁはぁ・・な、やっと元に戻ったの・・・・か?」
息が乱れている弘美は安心したのか、その場に座り込んだ。
由香はその場に立ち尽くすばかりであった・・・・・・。