うわバレた。
「ね、和泉でしょ?そうよね、そうに違いないわ」
答える間もなく幼馴染、結崎茉理(ゆいさき まつり)はそう続けた。和泉はとっさにとぼけるという選択肢を選んだ。
慣れない女言葉に心の中だけで赤くなりながら口を開く。
「あの…何のお話でしょうか…?」
「何って…あなた和泉でしょ? そうじゃなきゃ和泉の隠し子とか!」
(マテ。どーゆー理屈だソレは)
胸中でツッコミをいれる和泉。と、肩を掴んで激しく前後に揺さぶられた。シェイクシェイク。
「ちょ…ゆさ、ぶら、ない、でっ…」
「だって動きもクセも和泉そのものだったし! 顔だって和泉っぽいし! 雰囲気似てるし! てゆーか和泉よねっ」
「だから私は…っ」
「十年以上付き合ってる幼馴染を騙せると思ってるの?」
和泉の言葉を遮り、シェイクもピタリと止めて茉理はきっぱりと言い放った。その目はしっかりと和泉を見つめている。
「なんで女になってるのかは知らないけど、目が合ったとき少しだけ表情変わったでしょ。傍目には解らないくらいだけど。
別にどーこーするつもりはないわ。話せないんだったら何も訊かない。だから…和泉って事を確認させて」
最後のほうは、泣きそうな表情で茉理が訴えてくる。そこまでされて、ようやく和泉は話す気になった。
元々信頼できる人間なのは知っているし、話さないとずっとこのままになりそうな気がしたということもある。小さく溜息をつくと、和泉は苦笑を浮かべた。
「ったく…バレバレじゃんよ…」
「…やっぱり、和泉だったね。そりゃ、幼馴染ナメてもらっちゃ困るわよ」
「まったくだ。にしてもいきなり仕掛けんなよ…反射的に動けたから良いようなものの…」
中学校まで習っていた合気道を思い出す。
もっとも、和泉達が教わっていたのは合気道を基礎に色々な流派や動きを取り入れた(らしい)、いわば総合護身術といったような物だったが。
茉理と一緒だったことや、道場主が親しみやすい人物だったので和泉としてはかなり真面目に顔を出していた記憶がある。
ちなみに茉理は現在進行中で通っている。
「…人違いだったらどーするんだよ。ヤバイだろうに」
「人違いだと思ってたらやらないわよ」
「…もう何も言うまい」
今度こそ笑いながら、和泉はこの二つ年下の幼馴染を見つめた。彼女が勝利、と小さくVサインなんぞを出す。
「良いさ、全部話してやる。どっか落ち着ける場所に行くぞ、長話になるからな」

嫌がる和泉を無理矢理家に引っ張り込み、話を聞いた茉理は「信じられない」とだけ呟いた。
信じられないのだが…実際に目の前に現物があるのだから信じざるを得ない。
十年来の付き合いだった。彼は2つ年上で、しかし年齢の区別などつかない頃から遊んでいたので、
位置づけとしては「兄」ではなく呼び捨てもそのままの、親友とでも言うような存在だった。
恋愛感情も無いことも無いが、中高大を通して和泉が本気で恋愛をしなかったので特に不満は無かった。自分が一番近いという自覚もあった。
だから死んだと聞いた時は2,3日泣き通した。告白しなかったことを後悔した。しかし今、その相手は美少女になって目の前に居た。
話を聞いた茉理は、まず自分の頬をつねった。
「…痛い」
「…お前俺と似たような事してるのな」
マットの上で胡坐を掻いている和泉に言われ、半分渋々、嬉しさ半分に認める。
「一応現実なのね、よく解ったわ。驚き通り越すくらいにね」
「だろうな。…って今更何言うんだか。まぁともかく…今の俺は私ってワケだ」
「くっそー。ほわわん癒し萌え系美少女な見た目にその言葉遣い…負けたわ」
何にだ、という和泉のツッコミは無視した。
「てゆーかハッキリ言って悔しいわ、いろんな意味で。私の服とか似合いそうよね」
そこまで言って、茉理はふと気付いた。
「和泉、今って前より…男の時より非力でしょ?さっきも楽に引っ張れたし」
「ん?まーな、筋肉ついてないし根本的に違うし」
「ふっふっふ…勝った」
「だから何にだ、何に…」
げんなりと呟く和泉を尻目に、茉理はクロゼットから服を出し始めた。
いやな予感がした和泉だが、逃げる前に先手を打たれた。
「大人しくしててね?何もしないから」
(読まれてた…)
「嘘つけっ!絶対なんか企んでるだろっ」
「ホントに私は何もしないわよ。するのは和泉(はぁと)」
「(はぁと)じゃねーっ!」
「じゃ、このままひん剥いてあげよっか?」
ぴしり、と和泉が固まる。ぎぎぎ、と顔を向ける彼…彼女?に対し、茉理はにこにこと笑顔を見せた。
「自分で着替えるか、私に着替えさせられてあまつさえあ〜んなことやこ〜んなことされちゃうか。どっちがいいか選ばせてあげる」
「こ…このエロオヤジ女…。つーか俺は男…」
「今はオンナでしょ。ま、私は気にしないから選びなさーい」
満面の笑みを浮かべる茉理を和泉は悪魔だと思った。
「自分で、着替える…」

「うわー、和泉可愛い〜」
茉理の華やいだ声が和泉に賞賛を送る。かけられた方はこれっぽっちも嬉しく無いのだが。
(いや…少しは嬉しい…か)
どうも女装しているような気分になってしまい、恥ずかしいのだが…やはり褒められると悪い気はしない。
今も茉理の高校の制服(セーラー服)を着ているが、最初に比べるとだいぶ恥ずかしさは薄れてきた。
「うーん、可愛すぎて和泉って事忘れそう」
言葉とともに背後から抱きしめられた。ふっ…と首筋と耳に息がかかり、和泉は思わず声を上げてしまった。
「ひゃっ…」
「ん、どしたの?」
「ああ、いや…なんでも…」
ふむん、と頷き、茉理は首をかしげた。今度はわざと和泉の耳に息を吹きかける。
「んんっ…」
ぴくん、と和泉の身体が震えた。
その反応気付いた茉理が、
「和泉、ひょっとして…」
「な、なんでもないってば! いやホントにゃぁっ!?」
否定する言葉の後半が嬌声じみた悲鳴に変わった。茉理がつつつ…と服の上から背中に指を滑らせたのだ。ぞくぞくとした感覚が走る。
「感じて、るんだ…」
放心したように茉理が呟く。反論する間もなく、右耳に生暖かく濡れたものが触れた。
茉理の舌が、ぴちゃぴちゃと音を立てて耳たぶを舐め上げていく。舌が動くそのつど、和泉は身体を振るわせた。
「んっ…く…ふぅっ…! ま、まつ…りぃ…」
「和泉…可愛いよ…」
それきり、茉理が喋らなくなる。セーラー服の裾から潜り込んだ手が、ブラの無い棟に触れた。
もう片方の手は、ホックを外し、スカートの中に。
(ダメだ…力、はいらな…)
身体が勝手に反応し、四肢から力が抜けてゆく。抵抗できない。茉理の指が下着の上から秘裂を引っ掻いた。
瞬間、和泉は自分の奥から何かがあふれ出すのを感じた。
(ぁ…)
一度自覚してしまうと、もうダメだった。頭にぼんやりと霧がかかり始める。
「んちゅ…ふふ、ここ濡れてるよ…和泉…」
下着の上から秘裂を弄りながら、茉理が囁く。かぁっ…と頬が熱くなり、だんだん強くなる刺激に下着の染みが少しずつ広がってゆく。
「ん…ぁあ…はぁう…」
こらえきれなくなった和泉の口から、喘ぎ声が漏れた。


[BACK] [トップページ] [NEXT]


楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル