《おいっ!! 何する気だよ、姉さんっ?!!》
鏡の前に座りこんで、不適に笑う自分の表情に俺の不安は増していった。
「だからぁ♪ とっても、気持ちいいことだってぇ♪」
そう言うと女の子になった俺の躰は、その手を自分の胸へと近づけていく。
《んあっ!》
その手が俺の乳房を揉み始めた瞬間、俺の躰を今までに経験したことない刺激が駆け巡った。
「クスクス♪ どう、尊(みこと)ちゃん?」
俺の意識に関係なく、俺の手が動きまわる。
それなのに、その手から伝わる感触、そして胸を揉まれる感触は確かに伝わってきていた。
《……くっ……うぅっ……》
俺はどうにかして、自分の手を止めようとした。
「もうっ、さっきも無理だって言ったでしょ? 今、尊ちゃんの躰はお姉ちゃんのものなんだから♪
でも今回は、私は躰を動かすだけで、刺激はぜ〜んぶ尊ちゃんにいくんだけどねぇ♪」
姉さんが、どれほどこの状態を楽しんでいるのか、その声がすべて物語っていた。
《……んくっ…ぅあっ!……姉さん……やめっ…止めてくれ!……》
「え〜、なんでぇ? まだ、胸を揉んでるだけだよぉ♪ でもまぁ、この躰は開発されまくってるから、胸揉まれるただけでも大変かもねぇ♪」
《…ぐぅっ!…どういう……ことだよ?…》
「クスクス♪ 実はねぇ、この躰で動き回れるようになってからしばらくしてね、お姉ちゃん襲われちゃったんだよぉ。
ひどいよねぇ。まぁ、私は深夜じゃないと表に出られないから、仕方なかったのかもねぇ♪」
俺の口から発せられる、本当に楽しそうな声。
しかし俺は、その言葉に違和感を覚えた。
何で姉さんは、自分が襲われたことを、そんな楽しそうに話せるのか………。
「最初はすっごく痛かったんだよぉ。……でもね、お姉ちゃんだんだん気持ちよくなっちゃったの♪
それで、それでねぇ♪ お姉ちゃん最後にはねぇ…………………」
俺の本能的が訴えていた。
姉さんの、その先の言葉を聞いてはいけないと。
しかし無情にも、鏡に映る俺の口はその先の言葉を口にした……。
「はまっちゃった♪♪♪」
《っ…!!!》
信じられなかった。
今まで会ったことすら、いやっ、会うことさえ出来ないと思っていた俺の姉さんは…………………狂っていた。
「だってぇ、すっごく気持ちいいんだよぉ♪ それからはね、尊ちゃんが眠ってから毎日家を抜け出してたんだよ♪ SEXしにね♪」
《…んっ…あぁっ………う、嘘だろ?…》
「クスクス♪ ホントだよぉ。この制服やあの箱に入ってたものも、もっと男を誘うためにオジサンに買ってもらったんだよぉ♪」
そうか、それで押し入れの中にあんなにたくさんの服があったのか。
しかし、そこで新たな疑問が生まれる……
《……くぁっ!……あぅっ……オジサン?………って…誰だよ?…》
「オジサンはオジサンだよ♪ 言ったでしょ、毎日SEXしたって♪ 一番多かった相手が中年のオ・ジ・サ・ン♪
お金持ってるし、何よりあのネチッこ〜いSEX♪ すごいよぉ♪♪」
ふと、同級生の言葉が頭をよぎった。
援交―――。
くそっ!! まさか、俺が眠ってる間に、俺自身がやっていたとはな。
《……んあっ……あっ!…ぐっ…》
いきなり俺の手が、強く乳房を揉みはじめたために、俺の意識はいっきに引き戻された。
「クスクス♪ そんなオジサンと毎日やっちゃってたからねぇ、躰中がすっごい敏感になっちゃってるんだよぉ♪ 例えばぁ………」
《……ひぐぅぅっっ!!!……なっ、ああぁぁぁっっっ?!!!…ぐっ…はうぁっ!!……》
今まで乳房を揉んでるだけだった手が、ブラウスの上から乳首をひねってきた。
それも、両方同時にだ。
「あれ〜〜、尊ちゃん♪ 軽くイッちゃったのかなぁ?」
《…あぅっ!……ちがっ…うぅ…………イッて……なんかぁ…ない……くぅっ!!……》
すごい刺激だった。
まるで躰がバラバラになるような衝撃。
これを、『イク』と言うのだろうか?
しかも俺の手は、いまだにその敏感な乳首をいじり続けていた。
でも…。
でも、俺は男だ!!
女の子の躰で、それも姉の手でイッてしまったなど、死んでも認めたくなかった。
「クスクス♪ そっかぁ。そうだよねぇ、まだまだこれからだよねぇ♪ 大丈夫だよぉ、尊ちゃん♪ もっと気持ちよくしてあげるからねぇ♪」
姉さんは悪魔だ。
姉さんは、一度死んでしまったとき、悪魔に心を売ったんだ。
きっとそうに違いない。
「今度は、ここもねぇ♪」
左手はそのままに、俺の右手は女の子の大切なところへと伸びていった。
そこは、体育座りをしているために先ほどから、鏡に真っ白なショーツが映っている部分だ。
「最初は、優しくしたげるからねぇ♪」
その言葉と同時に、俺の右手はそこに触れていた。
《…ぅあぁっ!!…ぐっ……くぅぅっ!!…》
俺の手はショーツの上から、その筋をなぞるように、上下にゆっくりとそこを擦っていく。
「クスクス♪ どう?気持ちいいでしょう、尊ちゃん♪」
自分の手が擦っている部分から全身へと、刺激が広がっていく。
《……くぅっ!!……気持ち…よく…なんて……あっ!…ないぃ……だから…ぅんっ…もう…やめっ……頼む…くはっ!…からぁ……》
「尊ちゃん、嘘はダメよぉ。嘘は♪」
《…うぅっ!……う…嘘じゃ……あぁっ……ないぃっ!!……》
それは本当だった。
あまりにの刺激のために、俺にはその刺激に浸るような余裕がないのだ。
今は、気持ちよさよりもむしろ、苦しさのほうが際立ってしまっていた。
「クスクス♪ 大丈夫よ、尊ちゃん♪ もう少し………もう少しだからねぇ♪」
俺の口がそう言うと、俺の右手は、より早く、より強く自分の敏感なところを擦りあげていく。
そしてその間にも、左手は休むことなく俺の乳房を強く揉みしだき、乳首をいじりまわした。
《…なぁぁっっ!!……あっ……くっ!……ぐうぅっっ!!……》
「見てみなさい、尊ちゃん♪あなたの乳首、こんなにはっきりと勃ってるわよぉ♪」
鏡の中の俺は、ブラをつけていなかったのか、着崩れたブレザーの間から見えるブラウスには、恥ずかしいくらいはっきりとその形が浮かびあがっていた。
《…ぐぅっ!!…あがっ!……こ、この躰は……ぅあっ!……姉さんの…だろ……》
もはや俺は、文句を言うことさえ辛い状態だった。
「違うわよ、尊ちゃん♪ この躰はお姉ちゃんの躰でもあると同時に、尊ちゃんの躰でもあるって言ったでしょ♪」
《…うぅっ!……い、意味……わかんねぇ…よ……ふあぁっ!!…》
「意味何て、まだ分からなくていいのよ。今はただ、楽しめばいいんだから♪」
こんな状況、楽しめるわけがない。
さっきから、刺激が増せば増ほど、俺の苦しみも増すばかりだった。
《…こっ…こんなの……うぁっ!!……苦しい…だけ……だ……うぅぅっっ!!……》
「クスクス♪ 尊ちゃん、見なよあなたのショーツ。ほら、あんなにびちょびちょ♪」
鏡に映る真っ白なショーツは、まるでおもらしでもしたように濡れてしまっていた。
「尊ちゃん、ちょっとだけでいいのよ♪ ちょっとだけでいいから、その苦しさの中に他のものがないか、探してみなさい♪」
俺の躰はそう口にしながら、右手はさらに強く大切なところを擦りはじめる。
《……がぁぁっっ!!!……くっ…苦しいぃっ!!…あぁっ!!……》
苦しさ以外のものなど、見つかる訳がないと思っていた。
「ちょっとだけでいいのよ、ちょっとだけで♪ ちょっとだけ、その苦しみに耐えようとすることを止めればいいの♪」
あまりの苦しさに、意識がぼやけてきていた俺は、姉さんの言葉のままに、一瞬だけその苦しみに耐えようとすることを止めてしまった。
ほんの一瞬だけ……
しかし、その一瞬が俺のそれまでを……
俺の男としてのそれまでを……
………壊してしまうことになった。
《……あぁっ!!……あ?……えっ?…ふぁっ?……あうぅっっ!!…》
それまでの苦しさとは違う感覚が、苦しみの奥底から、じわりと滲み出してきた。
それどころか、一度気付いてしまったその感覚は、じわじわと、それまでのあった苦しみの中に広がっていった。
《……ふあぁぁっっ!!……なっ?!……くあぁっっ!!……》
「クスクス♪ 尊ちゃん、気持ちいい? 気持ちいいんでしょ?」
《……くぅっ!……ち…ちがっ……あぁっっ!!………気持ち…よく………なんか……ぅんんっ!!……》
それは、俺がこの状況におちいってから初めてついた嘘だった。
俺は既にぼんやりとだが、この感覚が何なのかを理解しはじめたていた………。
「クスクス♪ 尊ちゃん、まだ嘘つくのぉ? お姉ちゃん、悲しいなぁ。そんな尊ちゃんにはぁ……」

スルッ――

《……ええぇっ?!……あぁっ!……なっ?…何を?!……ふぁぁっっ!!……ぐっ!……ぐうぅぅっっ!!!……》
俺の左手がブラウスの中に入りこみ、直に乳房を貪りはじめる。
そしてそれとともに、右手はもはや水浸しになってしまったショーツの中へと入りこんでいた。

《……あ! あっ!…あぁぁっっ!!……くっ……なあぁぁっっ!!!……》
「尊ちゃん、気持ちいい? 気持ちいいよねぇ♪ ねぇ、そうでしょ?」
姉さんは何度も何度も、俺に尋ねてくる。
そして、その姉さんの言葉が、俺の考えをさらに確かなものにしていく………。
苦しみの底から滲み出てきたこの感覚が何なのか………。
《……はぁぁっっ!!……うくっ!……あぁっ………ひぅぅっ!!!……》

もう、限界だった………。
もう、どうでもよかった………。
もう、認めるしかなかった………。
この刺激は………

――――『快感』なのだと―――

《……きっ…気持ち………ぃぃ……》
「ん? なに? もっとはっきり言ってごらん、尊ちゃん♪」
姉さんの言葉を聞いたとたん、俺はさっき自分が言った言葉に愕然とした。
《っ……!!!!!》
「恥ずかしがらなくていいのよ、尊ちゃん♪ さぁ、今度はもっとはっきり言ってみようねぇ♪」
その言葉と同時に、俺の左手は痛いくらいに勃ってしまっている乳首をひねりつぶした。
《………ああぁぁっっっ!!!………》
そして右手は、

ヌプッ――――

《……ひぃっ!!…なっ?…ゆ、指?………指が…中に?……》
右手の中指が、俺の躰の中へと入りこんでいた。
「クスクス♪ 五本全部入れることも出来るのよぉ。あっ、締まりはいいんだからね♪」
その言葉どうり、俺の中指は俺自身に痛いくらいに締めつけられている。
もちろんその分、躰が受ける刺激は強烈なものだった。
《……ああぁっっ!!……そんなっ!………指……なかっ……指がっ……あぐぅっっ!!!…》
俺の右手は、俺の状態など無視して中指を動かし続ける。
「でも今日は五本なんてしないから安心してね♪ お姉ちゃんはほら、優しいから♪」
一本でもおかしくなりそうなのに、五本なんて絶対に無理だ。
「尊ちゃんは、初めてだもんね♪ いきなり五本なんて入れたら、狂っちゃうかもしれないからねぇ。無理はできないよ♪」
姉さんのその言葉に、俺は少しだけ安心してしまっていた。
「だからぁ………」
安心など決してしてはいけかったのに……


「三本ね♪」


《えっ?……うああぁぁぁっっっ!!!!…》
いきなり、さらに二本もの指が俺の中へと入りこんできた。
《…あっ!…ああっ!!…ひっ!…ふああぁぁぁっっ!!!…》
俺はもう、あえぎ声を抑えることすら出来なかった。
そしてショーツの中からは、グチョグチョと、湿った水音が響いてくる。
《……ひいぃっっ!!……ひぐっ!……ぐぅああぁぁっっっ!!!……》
「尊ちゃん、気持ちいいでしょ? 女の子って気持ちいいでしょう?」
何も考えることが出来ないなかで、何故か姉さんの声だけがはっきりと聞こえた。
「さぁ、尊ちゃん。言ってみなさい♪ 気持ちいいって♪ ほら、お姉ちゃんに気持ちいいって言ってごらん♪」
《…あっ!…あっ!…あうぅっ!!……いい……気持ち…いいっ!!……ひいぃっ!!!……》
もはや俺は、自分が何を言っているのかさえも分からなくなっていた。
「もっとっ! もっとよ、尊ちゃん♪ もっとはっきり♪」
《…きっ…気持ちいいっ!!……気持ちいいですうぅっっ!!!……あああぁぁぁっっっ!!……》
俺の手は、休むことなく動き続けるために、ショーツの中からの水音もより激しくなっていく。
「こんなのはどぉ?」
俺の手は三本の指をそれぞれが別々に動かせはじめる。
女の子になった俺の指は、男だった時に比べずいぶんと細い。
そのほっそりとした三本の指が、中でそれぞれ自分勝手に動きまわるのだ。
まるでそれは、えたいの知れない生き物が俺の中をうごめいているかのようだった。
《…ひいぃっ!!……いやあぁぁっっ!!!…》
「尊ちゃん、『気持ちいい』はどうしたのかなぁ♪」
また自分の左手に乳首をひねり潰される。
《…ひぎゃあっ!!!……気持ちいいっ!!……気持ちいいですぅ!!!……》
もはや俺には、自分の意思など残っていなかった。
「クスクス♪ いい子ねぇ、尊ちゃん。ご褒美をあげるからねぇ♪」
《…ふぇっ?…あああぁぁぁっっっ!!!……気持ちいいぃ!……何?……気持ちいいよぉっっ!!……なっ…何か…くるぅっ!!…》
目の前がチカチカしはじめ、何かが躰の中から膨れあがっていくような感覚……
「尊ちゃんは、最初のほうでイッちゃったと思ってたみたいだけど、女の子の快感はそんなもんじゃないのよぉ♪」
あの、躰がバラバラになるような衝撃。
あれは、『イク』ではなかったのか。
じゃあ………
「今からそれを、味あわせたげるからねぇ♪」
《…ひぐうぅぅっっ!!!……気持ちいいっ!!……ああっ、気持ちいいぃぃぃっっ!!!…》
俺の乳首は何度も何度もひねり潰され、指はもはや完全に別の生き物として、俺の中をうごめき続ける。
「クスクス♪ 尊ちゃんのここ、はしたないほどグチョグチョなって、ヒクヒクしてるねぇ♪ もうイキそうなんだぁ♪」
《…ひっ!!……あっ…あああぁぁぁっっっ!!!…》
「イクの? イッちゃうのね、尊ちゃん♪ イクって言ってみなさい、イッちゃうって♪」
《…あっ…ああっ!!…くるっ!……イクッ……イクッ!……イクゥッ!!…》
「さぁ、尊ちゃん。イッちゃいなさい♪」
《…イクッ!…イクゥゥッ!!…イッ、イグッ!!!…イグウゥゥッッ!!!……イグウゥゥッッッツツ!!!!!!…》

俺の躰のなかで、何かがはじけた。
目の前が真っ白になり、躰が中に浮いたような感覚になる。
そして俺の躰は、『ビクンッ!ビクンッ!』と跳ねあがった。
「どう? 尊ちゃん♪」
《……あ……ふぁ……》
躰はまだ痙攣し続け、何も考えることが出来ない。
「女の子の快感、気持ちよかったでしょう♪」
《……う…うん……》
何も考えることが出来ないはずなのに、俺は姉さんの問いに自然と答えていた。
確に気持ちよかった。
女の子の躰で得た、とてつもない快感。
男であるにもかかわらず、俺はそれを認めることしかできなかった。
「クスクス♪ そっかぁ、気持ちよかったんだぁ♪」
姉さんのその言葉と同時に、また俺の手が動きはじめる。
《…えっ?!!…》
もう全てが終わったものだと思っていた俺には、まったく予想外のことだった。
「それじゃあ、もっとイカせてあげるからねぇ♪」
《…ぐああぁぁっっ!!!……あっ…ちょっ!!……姉さん……もう…許し……ひゃあぁぁっ!!!…》
いままでに受けた刺激は、とっくに俺の精神の限界を越えていた。
これ以上の刺激を受け入れる余裕など、あるわけがない。
《…んああぁぁっ!!…ゆっ…許して!……許して、姉さんっ!!…》
「何を言ってるの尊ちゃん♪ 尊ちゃんは何も悪いことなんてしてないんだから、『許して』なんて言わなくていいのよぉ♪ それに躰も喜んでるしねぇ♪」
姉さんの言うとうり、俺の躰はより快感を得ようとしていた。
姉さんが言っていたように、この躰は快感を得るよう開発されまくっているのだ。
だが、その開発された躰と俺の未熟な精神は明らかに噛み合っていなかった。
《…あっ!…あうぅっ!!……許してぇ…》
「さぁ、尊ちゃん♪ また、『気持ちいい』って言ってみようねぇ♪」
《…ひぐぅっ!!……気持ちいいっ!!!………許して……きっ…気持ちいいぃ……ゆるし……あああぁぁぁっっっ!!!…くるぅっ!!…》
また、目の前がチカチカしはじめる。
「まずは、二回目ねぇ♪」
《…ひいぃっ!!!……くるっ!…くるぅっ!!……イグゥッ!!…イッちゃうぅっっ!!!……イッ…イグウゥゥゥッッッツツ!!!…》

数時間後―――

男っぽい内装の部屋の中、鏡の前に倒れている女の子の姿があった。
躰は小刻みに痙攣をし、着ている制服は乱れきっている。
横たわる床はぐっしょりと濡れ、女の子の顔は涙と唾液でぐちょぐちょになっている。
そして、だらしなく涎が垂れている口からは意味のわからない言葉を発していた。

「……いい……許して……気持ちいいです……俺は……もっと……男…女……姉さん……イク………やめて……気持ちいい………」


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