「はぁ…」
自室の窓から外を見た。窓枠を通した狭い町並みに白い結晶が振り落ちる。
どうやらやんでいた雪がまた降ってきたみたいだ。
外との気温差で少し窓が曇っている。
水滴を小さく手でふき取ると、さらに小さい町の姿が鮮明に見て取れた。
さんさんと絶えず降りてくる雪。さきほどまでのよりも勢いが強い。
「こりゃあ積もるかな…」
窓を半分ほど開き、外の様子をじかに見る。ビュゥっと予想外の冷風が部屋に差し込んできた。
「さ、さみぃ〜〜〜」
竜夜(りゅうや)の自宅は山を切り開いて作られた団地の中にある。
ちょうど都市を一望できる位置にあり、さらに2階の自室では中心部まで見渡すこともできた。
「うわっ。もう積もってやがる」
眼下に広がる光景はすでに白銀の世界であった。
綿を敷き詰めたジオラマのような景色は、光を反射してキラキラと輝いていた。
白銀のじゅうたんの間を縫うように走る小さな光点が車なのだろう。
それなりに薄暗くなった時間帯だが雪のおかげであまりそう感じない。
「いよいよ年末ってかんじだな」
今日は12月31日。大晦日だ。年末を感じるのが遅すぎる。
窓を閉める。きちんと鍵までかけて完璧に閉める。
寒いのが苦手な竜夜は徹底的な防寒対策を怠らない。
そのままそそくさとコタツの中にもぐりこむ。
靴下2枚にどてらを着込み、エアコン暖房床暖房……筋金入りの寒さ嫌いである。
「あ〜あ、あったかいあったかい。外なんて出かけてらんないね、暇だけどさ」
ごろんと寝返りをうつ。さっそくウトウトとしてきた。軽く居眠りでもしよう。
「う〜ん、一人で過ごす大晦日もそれはそれで…」

ドグワッシャアアアアアア!!!

突如響く大音響。
高速で飛び込んできたその“赤い”固まりは見事なまでに窓の防寒セキュリティを大破させ、
そのままこたつへとダイブしてきた。
軽快なほどこたつが吹き飛び、壁に激突する。
ついでに本棚まで倒れてきて成年雑誌が盛大に宙を舞った。
換気が最高によくなった窓…といってももはや窓枠しか残ってはいないが…から極寒の冷気が竜夜を襲う。
ぽかぽか陽気の平穏を一瞬にして砕かれてしまった。
こたつを踏み潰したその“赤”は激突後微動だにせず沈黙を続けていた。
よくみればいくつかの白い筋もつけられているようだ。
そして・・・
「う、う〜〜ん……」
奇妙な音…いや声だ。“赤”はゆっくりと動きを見せ始めた。
「もう〜〜〜〜!!またやっちゃった!」
女性の声である。なぜだかわからないが怒っているらしい、それなりに。
すっと立ち上がる。“赤”は女性であった。
年のころで言えば18くらいだろうか、女性というよりは女の子と表現したほうがしっくりくる。
全身を覆う衣装はずばりサンタクロース。“赤”はその衣装のせいだったのだ。
しかし…この寒空のもと、膝上までのスカートに生脚というのはものすごい意気込みである。
街中で彼女を見かけるようなことがあれば、単にバイトの娘としか写らないだろう。
とりたてて目立つことのない姿といえないこともない。
異様に盛り上がった胸元が目立ちすぎるかもしれないが…。
ただこのような屋内で、しかも突然2階の窓に突っ込んでくるバイトなど聞いたことが無い。
「どうしよう!!!」
ピョンピョンとその場ではねる。
どうやらあせっているらしいが、傍目から見れば単にはしゃいでいるようにしか見えない。
「ちょ、ぐえ!ちょっと、どけ・・・ぐはっ!」
「えっ・・・」
サンタの足元からうめき声。言うまでも無く竜夜の悲鳴だ。
こたつですっかりふやけていた竜夜が突然の事態を回避できるはずも無く、見事に踏み潰されていたのである。
「ほえ・・・?」
「ほえ、じゃねえ!どけよ!」
「のわぁぁぁぁ!」
まるで悪魔でもみたかのような悲鳴とともに、さささっと部屋の隅へと娘は移動した。
何をおもったのか、散らばった雑誌を目の前に掲げまるで盾のようにかまえてビクビクしている。
「ひぃぃぃ!なに、なんなのおお!」
「それはこっちがききたい!」
幸いにも竜夜自身ちょっとした打ち身ですんだ。
少し脚が痛んだりするが、そんなことはおかまいなしに足を踏み鳴らして激昂する。
「ひえええ!お助けええええ!!」
「助けてほしいのはこっちだ!!って、ぐふぅ!」
理不尽な神頼みをしただけに足らず、今度は手短にある雑誌をポイポイと投げつけてきた。
「や、やめろって、おい!それ!」
投げている雑誌の内容が問題であった。
一人のときいろいろと世話になっている絵本の数々、しかも今彼女が手にとっているのは特にお気に入りの…
「てめ!何投げて…のわっ!」
バフッ!
結局投げつけられた『ミカ○ル計画』は膝に命中し、大きくバランスを崩してしまった。
覆いかぶさるように娘に倒れこんでしまった竜夜は、
弾頭をイメージさせるほどのサンタの胸元に顔を突っ込んでしまったのである。
一瞬にして視界がまっくらに、そして圧倒的なまでの圧迫感。同時に感じるこの上ない心地よさ…
「わ・・・わ・・・っわわわわわ!」
娘は娘で突然こんなことされて落ち着いていられるはずもない。
次の雑誌を投げかけたままのポーズで固まって声ならぬ声をあげるばかりである。
「わ、わわわ。お、落ち着くのよ。おおお、落ち着け、クレア!」
どうやらこのサンタ娘、クレアという名のようだ。
あれだけうろたえた彼女の奇行からすると、ここで落ち着くことができたのは賞賛に値するであろう。
「こここ、こうなったら!!」
ギュムゥゥゥゥ…
「うぐぅ!んぐぐぐぐぐぐぐぐぅぅ!」
クレアは両腕を抱きかかえるようにして、胸で竜夜の頭をきつく挟み込んだ。
このまま窒息させてしまおうと考えたのである。
落ち着いているようにみえて…実はまったく落ち着いていなかったのかもしれない。
しかし、自分の乳房の大きさを把握していなくてはできない芸当だ。
その点でも多少のオリジナリティは評価できる。
「ジ、ジタバタしても無駄よ!」
男なら誰がこんなおいしい状況で暴れようとするだろうか。
しかしこの場合はそうもいってられないようだ。本当に呼吸が困難になってきたのである。
暴力的なまでのボリュームを余すことなく感じることはできるが、命と引き換えにするには分相応だ。
それこそ死ぬ思いで竜夜は自らの顔とクレアの乳房との間に手を差し込むことに成功した。
ムニュっと力いっぱい生きたマシュマロを握りつぶし、気道を確保する。
「う、うひゃああ!胸、そんなにきつく揉んでえええ!!」
いい加減イライラしてきた。そろそろ腹もたってこようものである。
突然襲撃してきた正体不明の娘に、部屋をぶちこわされ、本をぶつけられ、しかも騒ぐことをやめそうにも無い。
いったいぜんたいなんなのだ、この娘は! 人の平穏を打ち砕いておいて、いったいなにがしたいんだ!!
「うっさい! 静かにしろ!」
手のひらで探り当てた乳房の頂点、左右の勘所をおもいっきりつねってやった。
「はぅ!!!!!!」
ビクビク…
それだけでクレアは身をそらせ、短い悲鳴をあげるとすっかりおとなしくなってしまった。
「ん? なんだ、もうおとなしくなったのか…」
「は、はにゃああああ・・・」
ふやけきった表情でダウンしてしまったようである。あまりに感度のよすぎる身体の持ち主だ。
「おい!」
「はにゅうううううう・・・」
「こら!」
ペシペシと軽く頬を叩いてやると、ようやくおとなしく正気を取り戻すことができたようだ。
「はぅぅぅ・・・」
涙目で許しを請うような視線を向けてくる。
自らの身体を抱えるようにして…まるで竜夜が強姦している雰囲気だ。
「だからなんでそんなにびびってんだ? お前から突っ込んできたんだろ、俺の部屋に」
「はぅぅぅ、すみませええ〜ん」
「とりあえず窓をなんとかしろよ」
「は、はいぃぃぃ」
さっとサンタが手を振った瞬間…
「直りましたあああ」
直っていた。元の姿と寸分たがわず、確かに元通りすべてが復元されていたのである。
「は?」
「直したので許してくださぁぁ〜い」
「はぁ!? なんだ今の!!」
理解できない事態であった。手を振りかざしただけで物が元に戻るのであれば、リフォームいらずもいいところだ。
「はぁ、魔法で」
だが当の本人はさも当然の様子で、答えを返してくる。
「ま…ってお前、なにもの?」
竜夜がそんな単純な疑問を口にしたのも仕方の無いことだろう。
見た目はただのバイトのサンタ。しかしその言動は非常識に過ぎる…。
「サンタです、はい」
「それはみりゃわかる」
10人いれば10人同じ答え方をしたであろう。だが、これは、この場合の竜夜の答えは違っている。
「そうか、サンタか…。サンタならそんな不思議な力も使うってものさ」
「ご理解、恐縮ですぅ・・・」
「って違う!」
ビシッと指差す。
「お前は女だろ! サンタってのはもっとモサ〜っとした白いひげでぶくぶく太った中年おやじじゃないのか!? しかも!」
竜夜はあたりを少し見回しから続けた。
「専用車両ともいえるトナカイ付のそりもねえじゃねえか! 幸い、プレゼント用とおもわれる白い袋はもっているようだがな」
「そそ、その中年おやじってのはうちの社長です…。わ、私は社員なんですよお」
「は? ならお前、見習いサンタっていったところか・・・?」
「そうです…」
竜夜は大きくため息をついた。修復された窓からもう一度外の景色を一瞥した。
また雪が強くなってきているようだ。
「あのな…今日は…大晦日だぞ…」
少し言いにくそうに、実際言いにくかったのだが、静かにそう告げた・・・
「へ? え、ええええ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「う、うるせえ・・・」
鼓膜でも突き破るような叫びがあがった。
驚愕に目を見開き、この世の絶望と相席したかのような顔をこちらに寄せる。
「あ、あたし…またこんなミスを…」
「またって…まぁなんとなくお前のキャラクターはわかってきているから驚きはしないけどさ」
「どど、どうしよう。また社長におこられちゃう・・。ふえ、ふええええ〜〜〜ん!」
先ほどまでの騒ぎがやんだと安心したのもつかの間、今度は泣き叫び始められてしまった。
「うええ〜〜〜ん。どうしよう…!!」
「はぁ・・・」
なんだか…災難を受けているのはこちらのほうだが、あまりにもこの娘が不憫に感じられてきた。
物損、つまり窓やらなにやらは元に戻ったので問題ない。足も少し痛いがたいしたほどでもない。
そのことを考えれば、クビの危機に面しているであろうこのサンタの身の上が心配にもなってくる。
「はぁ・・・ほらほら。泣くなって・・・おわっ!」
「ふえええ〜〜〜ん!」
軽く背中でもさすってやって慰めてやろうかとおもっていただけなのに、いきなり竜夜の胸に飛び込んできた。
「ずいぶんと積極的な…じゃない…なんだよいきなり」
飛びついてこられてから…下腹部にあたる豊満な胸が実に甘美な感触を与えてくる。
必死でそれを無視しつつ、背中をさすってやる。
(ったく、ムラムラきちまうな。いやいやこんなところに付け込むってのはやっぱよくねえわな…)
などと紳士的な考えをしているうち、かなしいかな、自らの分身はきちんと反応を示してしまっていた。
(ううう、な、なんだか股間がむずむず…いや、いかん。こんなことでは)
なんとか股間のざわめきを押さえたいのだが、一度反応を始めてしまった分身を収めるのはやすやすとできるものでもない。
(むぅぅ、なんか気持ちよくなってきたよ。やばいなあ)
「っておい! お前、なにしてんだよ!」
「はむへふかあ?(なんですかあ?)」
「はむへふかあ、じゃねえ。何くわえてんだ!」
気がつけば、いつの間にかパンツをずり下ろされ勃起したペニスをしゃぶられていたのだ。
泣き叫んでいたさきほどまでの姿などどこへいったのか、まるで忘れてしまったかのように一心に股へと奉仕していた。
「ちょ!…くっ!ちょっとまてよ!」
いきなりやられてしまった形ではあるが、これが想像以上に巧みな技をしかけてくる。
顔を掴んで無理矢理離し、ようやくこちらをむかせる。
「お前、いきなりなにやってんだよ。」
「私はサンタですよ! そこらへんわかってますか!?」
かがんだままこちらを見上げ、諭すように言ってくる。
「サンタはみんなの欲しいものをあげないといけないのです!」
ちょっと得意げになってまでそんなことを平気でそんなことをいう。
別段話している内容に間違いがあるとは思えない。だが、これはちょっと違うんじゃないか?
「そりゃそうかもしれんが、それがフェラチオなのか?」
「い、いいえ。これはその…ついうっかり、ですね…ははは」
照れ隠しのように答えてきた。ついうっかり――普段どのような性生活をしているというのか。
「ま、やってしまったことを悔やんでもしかたがないです!ならば職務をまっとうするまでです!」
「ちょっと遅めのクリスマスってか? まぁ欲しいものくれるんならうれしいけどさあ」
といってもいざそんな大きなことをいわれてもすぐには答えられない。
「ふっふっふ。わかってますよ、だんな!」
「誰が旦那だよ!俺は竜夜って名前だ!」
「そうですか!あたしはクレアです!よろしく、旦那!」
「はぁ…そうか、よろしくなクレア…」
まともにつきあっても話が進みそうにない。適当にうなづいてやることにした。
「わかってますよ、旦那の欲しいものってつまり…うっふ〜〜ん」
すっと衣服のボタンを緩める。その隙間から窮屈そうにつまった乳房をちらりとのぞかせた。
知れず、そちらへと目が釘付けになる。男としてはどうしようもない反応であろう。
「んっふっふ。やっぱり。あたしとヤリたいんでしょう!」
ビシッと指を突きつけられる。
「ま、まあ、それはあるかもしれないな。」
というかこの状況でヤリたいとおもわないなんてことのほうが少ないと思うけど。
「わかりました。ヤリましょう!」
なんだか船大工かなにかの気質職人みたいなセリフだ。こいつ、実は確信犯じゃないのか…?
「旦那好みの女性にだ〜い変身!」
一瞬まばゆい光にクレアが包まれたかと思えば、すっかり姿を変えてしまっていた。
なにもかもが勝手に進められてしまった気がしてならない。
文字通り「変身」を果たしたのだから魔法ってのはすごいとしかいいようがない。
同時にいよいよもって引き返せないところにきてしまったようだ。
「っていうかなんで俺なんだ、変身ってのがさ!」
「あらあ!? ダメですか!?」
あろうことか、クレアが変身した姿は竜夜そのものであった。
だが、男性の相手ということもありもちろん女性版竜夜である。
自分の姿が女性化されて目の前にたっているというのは…正直気持ちが悪い。
自分としても中性的な顔立ちをしているとおもっていたりするので不自然といいきるほどの外見ではないけれど。
「駄目ですか、ってなあお前。俺に俺自身を抱けってのかよ」
「う〜ん、駄目ですかあ。だったらセックスってのは駄目なんですかねえ」
「いや別にセックスを欲したってわけでもないんだけどな。まぁ今は確かにそうだけど」
「う〜ん、そうだ!こたつを直しましょう!」
「話をきけ!」
自分の姿をしたクレアを無理矢理押し倒す。
泣き止んだとおもったらこの傍若無人っぷり。ちょっと強引にでも押しとめないとどんなことになるかわからない。
「ええい! このさい入れられればそれでいい。女の自分でもいいぜっ!」
「あら? そうなんですの?それなら…えいっ!」
ボムッ
プレゼント袋から取りだした妙なアイテム。
単なるプラスチック製の棒にしか見えないそれを竜夜にむかって振り下ろした。
今度は何を勘違いしたのか……竜夜自身が女性になってしまっていた。


「のわ、わわわあああ!」
「あら、そんなにうれしいですかあ?」
「てめえは…確信犯だろ! おめえ、絶対確信犯だ!」
クレアに負けないほど大きな巨乳。くびれたウエストにふっくらとしたヒップ。
中世的な風貌まで大きく変化してはいないものの、確かに女性そのものとなっている。
ふとももで感じることのなくなった男の象徴は…なんと元の姿に戻ったクレアの股間に宿っているではないか。
「お前、まさか。」
「そうですわよ。だっていったじゃないですか。“入れられれば”それでいいって」
「それは別に受身の意味じゃなくてだな。」
「日本語の妙、とでもいうべきでしょうかね。ふふふ。」
さっそく、といわんばかりにクレアが股間をいきり立たせて迫ってくる。
背を向けて逃亡を企てたが、すかさず背後から胸をわしづかみにされ押し倒された。
「捕まえましたあ…ほらほら、感じてくださいね女の子のおっぱい」
「うわっ…くっ、やめろって!!」
「旦那は幸運なんですよ、そこらへんわかってますか?」
「へ?」
突然まじめな顔をしてクレアがこちらを覗き込んでくる。
胸を愛撫する手の動きがとまったおかげで頭がぼぅっとすることもなくなった。
「実際こういうふうにしてサンタに直接願いを叶えてもらうっていうのは非常に珍しいことなんですよ」
「いや珍しいっていってもだな。お前が勝手に・・・」
「こんな機会をみすみす見逃すなんてもったいない!」
「まあ確かにそうだ…だがな、お前…」
まさか女になるとはおもっていなかったし、もったいない経験だとはおもうさ。
「数時間で元に戻るというのに、せっかくの女の子の身体を楽しまないなんてもったいないんじゃないですか、旦那ぁ?」
「いや、でも。う〜ん、数時間っていうのなら・・・」
このままずっとっていうのはいやだが、こんなときくらいは・・・確かに感じてみたい。女ってやつを。
「だからほらほら。胸も揉んであげますよお」
「う・・・うん。くっ・・・ふう」
うわっ、胸もまれるってこんなかんじなんかよ…。
「どうですかぁ?お客さん、こんなかんじですかぁ?」
「誰がお客さんだよ。ああ、そ、そんなかんじでもまれたら…はぁ」
「けっこういいもんでしょう? 胸もまれるのって」
「そ、そうだな」
けっこうどころか、かなりいいよこれ…。
おっぱいにつまった心臓をわしづかみにされてる気分ってのかな。
「ほらほら、もっともっと揉んであげますよお」
一度揉みしだかれる度に心拍数がどんどん上昇していく。
「はぅ…んは」
なんでそんなにいやらしい動きをしってるんだよ、ってクレア自身も同じか、自分の感覚だもんな。
くそっ、8の字みたいな揉み方してんじゃねえよ。た、たまんねえんだからそれ。
「はぁ…すげえなあ。胸で、こんな感じるもん…はぁ、なんだな。すげえ」
全身が熱くなってきたのがわかる。胸を中心にしてどんどん火照ってくるんだ。
「はぁ…ん、もっともんでくれよ…んはっ」
かれこれ30分ほどももみ続けられて頭がシェイクされたみたいな気分になってきた。
「さ、そろそろここで遊びましょうか」
「んひゃっ!」
最初から直接股間の秘部へと触れてきた。割れ目に沿って指をはわせてくる。
それだけで男の射精感に似た性感が背筋を走る。そんな簡単にこんな快感を感じていいものかよ。
「すっかりトロトロですねえ」
とろとろ・・・?
セックスの準備ができたってことか?そうか、よかった…。
ほとんどなすがままにされて衣服を脱がされ、股の間に割り込まれる。
たくましすぎる男根の先端が頼りない下半身を探るような動きを見せた。
すべりをよくするためだろう。あふれでた愛液をその全身に絡めとっている。
ヴァギナにこすりつける際、一瞬挿入される鈴の部分だけで意識が飛びそうになってきた。
だって、内側がこんなに感じるなんて。
こんな状態で挿入なんかされたら、俺、それだけでイッちゃうんじゃないか?
女ってのははじめてでイクなんてまずありえないらしいけど・・・。
でもなんでだろう。挿入されたらいきなりイッてしまう自信みたいなのがある。
だって普通の女の身体じゃねえもんな、俺。
「大丈夫ですよお?痛くないんで安心してくださいね。気持ちいいですから」
「へ、そうなの?」
「だってそのほうが楽しいでしょ。ほら、見てください。今からズブッといきますから」
クレアが俺の上半身を起こした。もうまともに身体に力が入らないくらい感じてしまってんのかよ俺は。
「ズブッとかいうな、入れられるのは俺なんだから」
「は〜い。いきますよお」
よおしっ!
ぐっと気構える。
やってやろうじゃねえか、感じてやろうじゃねえか、ええ! 女ってやつをよ!
どんとこい、ってんだ!


ジワッ…


ゾゾゾ、ゾクッ…
「う、んひゅわ…あ……あ、あ」
な、なんだよ。これ。あ、頭がおか、おかひくなふっ!
俺の目の前でばかみたいにスムーズに埋まっていきやがる。ちょっとくらい抵抗しろよ、俺のココはよ!
同時に感じるばかみたいな…快楽、女の快楽だ。
注射をされるみたいなドキドキしたかんじ、だがこれは刺された後が重要なんだ。この感覚こそが。
ググッ、ググググッ
滑るように入ってきたら少し抵抗があった。そう簡単に入れられはしねえってよ。
いいようにされてるばっかじゃねえぜ。俺は思いっきり侵入者を締め付けてやった。
「あら、あらら。初めてなのに、よくそこまで抵抗できますねえ」
「ん…はっ!」
俺も必死なんだよ。ったく、ちょっとでも気を抜くと頭がぼ〜っときやがるぜ、畜生。
「よいしょっと!」
ズズ、ズブブブブブ
「んひゃ!んほおおおおお!」
くそっ!抵抗しても無駄かよ!そんな簡単に突き進みやがって!
そ、そんなに内側をひっかくなよ…どこまで入るんだ…。
そうおもった瞬間いきなり奥を突っつかれた。
「ふぎゃ!」
「さあ、いっぱい入りましたねえ。どうですかあ? 女の子はあ?」
た、たまらねえ・・・。いくらなんでもこりゃあ、すごすぎだろ…。すげえ、いいわ。
「さ、さいこう…んんん!」
「え? なんですって?」
「だから、さい、んひゅあああああ!!」
ばかっ!いきなりそんなに動くんじゃねえよ!一瞬死んだかとおもったぞ。
そのまま休むことなく、ものすごい勢いでピストン運動を続けられた。
そんなに激しくしたらぶっこわれちまうんじゃねえのか俺のアソコ。
「ええ? なんですって? ちゃんといわないとわかんないですよ、旦那ぁ!」
「んひぃぃぃぃぃ!んはん!ひやああ!」
くそっ! 声がだせねえんだよ!勝手にエロい悲鳴が口から出ちまう。
俺だって…俺だって、こんな声恥ずかしすぎなんだ!でも・・・でも、だめだ。
「どうですか? はぁはぁ! 旦那のなか、すっごい気持ちいいですよ!
ほんと、初めてでここまで乱れるなんてね!」
穿たれた蜜の壷をペニスでひっかけて持ち上げるようにされた。

ビリビリビリビリビリ

静電気にもにた感覚。異常なほどの快楽。
「ぎゃあああああ!」
ものすごく敏感で、要するにたまらないほど気持ちのいい部分を刺激されて思わず腰が浮いちまう。
「ふふふ、ほんとに…ほんとにいいですねえ」
「んふぁあ、もう、もう…勘弁…」
なんとかそれだけを声に搾り出した。情け無い、弁解のような許しを請う言葉を…。
普段の俺なら考えられないことだ。だが、今だけはどうしようもない。もう、身体が限界に近い。
「いいんですか?こんな簡単に乱れてしまってるのに、イクなんて」
「ひぃ!いいから…いいからああ、んはぁ!イクからああ!」
Gスポットを擦り上げられてから一気に思考が低下した。
もはや一刻も早くイクことで峠を越える以外助かる術が見あたらないんだ。
「わかりましたあ! イキますよお!」
シュババババババ!
どこにそんな体力を残していたんだ、ってなくらいクレアの腰がスピードを増した。
同時に一瞬で燃え上がる俺の股間。一気に痙攣が始まる、だめだ! 抑えきれ…!
「イグぅぅぅぅぅ!!!」
「はぁあ!出てるぅぅぅ!!」


そんなこんなで…男に戻るまでの残った時間、俺たちは何度も交わった。


「んじゃ、メリークリスマス!」
「だからおせえよ、いつつっ!腰が…」
クレアのやつ、情け容赦なしに突っ込んできたからなあ。後半はあいつのほうが楽しんでいたんじゃないのか?
俺は悲鳴をあげるばっかりで呼吸困難になりっぱなしだったし。
「ばいばいで〜す!」
窓枠にさっと飛び乗ると、ソリもなにも使用せず飛んでいっちまった。
いまさらだけど、やっぱサンタなんだなあ。
「ん?」
床を見ると…俺を性転換させたあのアイテムがおいてけぼりになってんじゃないか。
そいつを拾い上げると、また外を見上げた。窓は閉めない。
火照った身体を冷やすにはこれくらいの寒さが必要だろう。
「こいつがクリスマスプレゼントってか…」
忘れていったのか、それとも最初からこいつがプレゼントだったのか。
もし後者だとすれば、俺を犯したのは単にあいつの欲望解消が目的だったってことにならねえかな…。
まぁいいさ。考えると鬱になる。
街のほうはすっかり夜景の光に彩られていた。車のライトが光の数珠を描いている。
いつしか雪も少なくなっていたようだ。積もっていた雪もだんだんと姿を消し始めていた。
除夜の鐘が鳴り響いた。いよいよ年末ってかんじだな…感じるのが遅すぎるか。
ほお、と息を吐く。白い吐息が空へと吸い込まれていった。
あいつ…また来るかな…。
「メリークリスマス…そして、ハッピーニューイヤーだ…。」
ぼそっとつぶやいた。
この空のどこかの、あいつへ届くことを願いながら。

糸冬


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