「ン…ん」
僕は、ベッドの上で目を覚ました。
ベッドの上で身を起こして、まだはっきりしない頭で周囲を見回す。
本棚にスチール机、パソコン、ゲーム機、テレビ。僕の部屋だ。
1つ頭を振ったけど、ぼんやりと頭に幕がかかったみたいに、すっきりとしない。
体もだるい。
夢だと思いたくても、そのだるさと手首のタオルの跡が、昨日の事は事実だとはっきりと告げていた。
結局、僕はあの後もさんざん玩ばれた。「嫌って言うほど」というのは、比喩でもなんでもなかった。
むしろ、何度「嫌」と言っても止めてくれなかった分、より酷い。何回イったかすらも、覚えていない。
「…はぁ……」
1つ溜息をついて、本来よりも一回りほど小さくなってしまった体を見下ろす。
姉が着せてくれたんだろうか。見慣れたパジャマを着ている。
しかし、もともとゆったりとしていたパジャマは今はだぶだぶで、下手をすればずり落ちてしまいそうだ。
ちなみに、下着はつけていなかった。多分、姉が面倒がったんだろう。
「学校、これじゃあ行けないよなぁ」
枕もとの目覚し時計は、すでに起きて家を出ていなければいけない時間を指している。
が、顔立ちは元の面影を幾分残しているとはいえ、根本的に姿が違いすぎる為に、
僕が海原祐樹だと名乗って登校するにはいささか無理がありそうだった。
胸が小さい分、男のフリをするくらいなら何とかなりそうなのは、喜んでいいのか悲しむべきなのか。なかなかに微妙だ。
ともあれ、何とか姉に元に戻るための薬を作ってもらわなくては。
僕は、まだふらふらする体を支えながら、何とかベッドから降りた。
「おはよ、祐ちゃん」
姉は、昨夜のことなど忘れてしまったかのように、にこやかに挨拶する。
場所は、キッチン。だけど、料理をしている様子は無い。ついでに言えば、何故か両手を後ろに隠している。
「…おはよう。何してるの?それと、仕事は?」
とりあえず、僕は尋ねた。
「うふふー。祐ちゃんにご飯作ってもらおうと思って、用意してたの。あと、仕事はお休み。今日は祐ちゃんで遊ぶの」
用意!?
祐ちゃん「で」!?
背筋が凍った。
「ま、またなに企んでるの!?」
「あらあら、企んでるなんて人聞きの悪い。可愛い女の子を可愛がって何が悪いの?そんな事より…じゃーん!」
背後に回していた両手を、前に出す姉。
何か、布切れみたいなものを持っている。
「!?」
それは、なんというか、いわゆるフリルとレースたっぷりでピンク色の、エプロンだった。
「それを、着ろって!?」
「当然。あ、もちろん裸エプロンね」
言うに事欠いて、とんでもないことを言い出した姉。
「はだっ、裸って、そんなっ!」
「あら、べつに恥かしくないでしょ? 昨日あれだけ恥かしい所見せたんだから」
そんな訳は無い。いくら昨日僕がさんざん乱れたって言っても、
こんな恥かしいエプロン一枚で料理をするのは、また別の次元の問題だ。
けれども姉は、そんな僕を追い詰める為に切り札を出した。
「あら、元に戻れなくてもいいの?」
「…………わかった」
僕は、がっくりと肩を落とした。
切り札が向うにある以上、姉の言うなりになるしかないみたいだった。
「はぁ……」
僕は、深い溜息をついた。
男としては一度は見てみたいというような興味はあったけど、まさか自分がやる羽目になるとは。
パジャマを脱ごうとしたら、姉は微笑みながらじぃっとこちらを見つめてきた。
「…向こう向いててよ」
僕はさすがに気になって、姉に訴える。
「姉が妹の性徴具合を確認して何が悪いの」
姉は、開き直った。多分、何を言っても聞かないだろう。
仕方なく諦めて、パジャマを脱ぎ始める。
「それにしても、可愛い胸ね。昨日は胸よりの下の方が感度がよかったみたいだけど、今度、胸だけでイかせてあげようかしら」
出来るだけ聞き流そうとしたけど、姉の欲望丸出しの声は、嫌でも昨夜の悪夢的な快楽を思い出さずに入られなかった。
「それに、縛って足で弄ってあげただけでイっちゃうんだもの。きっと祐ちゃんはマゾの素質があるわよね」
姉の意地の悪い言葉に、頬が火照るを感じた。
無視、無視。こんな所で下手に反応なんかしたら、きっと昨日の再現になってしまう。
僕は羞恥に俯きながら、さっさと着替えて姉が変な気を起こさないように祈る事しか出来なかった。
じゅわーっ。しゃん、しゃん。
フライパンに、目玉焼きがおどる。芳ばしい香りがただよう。
その出来具合を確かめて、脇に寄せておいたトーストに載せる。出来上がりだ。
いつもならもう少し凝った事をするけれど、さすがにこんな状況ではきちんとした料理をつくる気にはなれなかった。
姉はその間、リビングの方からじっくりと僕の露出した背中を眺めていた。
と、出来上がった分をリビングに運ぼうとしていたら、背後から抱きつかれた。
「ふふ、もう我慢できない」
「ちょ、姉さん!?」
「祐ちゃんが、こんないやらしい格好をしてるのが悪いのよ」
「そ、それは姉さんが―ひんっ!」
ぬるリ。股間に、姉さんの指の感触。そして、その指を僕の目の前にもって来る。
「あらあら、何にもしてないのにこんなにに濡らしちゃって、本当にしょうのない娘ね」
その指は、確かに何かに濡れて光っていた。
再び、頬が熱くなるのを感じた。そして。
「見られてるだけで感じてたんでしょう?マゾの祐ちゃんは」
ずくん。下腹の辺りに、何かがキた。
「反論がないわね。なら、認めるのかしらね」
そんなわけがない。
「っ! ち、違うよっ!」
反射的に、言葉が口をついて出た。
「そう?まあ、いいわ。その事については、後でじっくりと、ね。今は、コレ」
「……? …っ姉さん、それって!?」
「いいでしょう?ちょっと薬を調整して、ここだけ男の子になったの」
僕の背中に、ピッタリと張り付いてきた姉の、そのロングスカート越しの股間からは…今の僕には無い、
男の、アレの感触が生じていた。
「これで、たっぷりと祐ちゃんを可愛がってあげる」
「嫌だよ、そんなのっ!」
姉に処女を奪われるなんて、いくらなんでも嫌すぎる。
僕は必死に抵抗した。
「乱暴ねえ。でも、ちょっとくらい抵抗してくれた方が面白いわ」
けれど今の体で、しかも最初から姉に体を抱きすくめられている状態では、抵抗らしい抵抗にはならなかった。
そして、あっさりと押さえつけられてしまった。
「うふふ。そうねぇ、処女をもらってあげてもいいんだけど…まだ勿体無いわね
…祐ちゃんがお口でしてくれるなら、今日は処女を諦めてあげてもいいけど?」
「そんな無茶な」
大体その言い方じゃ、遅いか早いかの違いだけで、処女をもらうっていうのは確定しているみたいだ。
どうせなら一思いに、と考えが傾きかけた瞬間。
「さ、どっちにするか、選んでね。早く決めないと、我慢できなくなるわよ」
姉さんはスカートを捲り上げてソレを取り出し、僕の背中に押し付けた。
僕が昨日まで持っていたモノよりも、かなり大きい。
「っ! …く、口で…」
その、恐さが先にたって、思わず先延ばしにする方を選んでしまった。
「口で、なぁに?」
その僕の葛藤を見越した上で、意地の悪い質問が投げかけられた。
「あ、その…口で………口でさせて」
「ふぅん。ま、いいわ」
僕が顔を真っ赤にして、全身を震わせながら言うと、姉さんはあっさりとそう言って、僕を振り向かせた。
「ほら、立ったままじゃできないでしょ。膝立ちになりなさい」
そして、肩を抑えられて、膝立ちの姿勢に誘導された。
目の前に、姉のものとは思えないほどグロテスクで凶悪なモノがある。
こんなモノを、一体どうすればいいんだろう。ソレを目の前にして、僕は途方にくれた。
と。
くちゅり。
「ひぃんっ!?」
姉の足が軽く持ち上がって、そのつま先が僕の秘所を刺激する。
「こんなに濡らしちゃって。ホント淫乱ね。昨日までは男の子だったくせに。いい子ぶったって駄目よ、マゾの祐ちゃん」
「ひぁっ・ぁぁん…ふぁ・んぅ…っちが、違…ぁくうっ…!!」
痺れる体。真っ白に染まっていく思考。姉の侮蔑の言葉が、妙に心地よく感じられる。
頭の片隅で、このままじゃまた昨日と同じだ、と警鐘が鳴り響いているが、それすらも飲み込まれていく。
「ほら、処女のくせに淫乱な祐ちゃんの好物よ」
鼻先に突き出される、姉のモノ。つい昨日まで、自分も持っていたモノ。
何故か、とても愛しく感じた。
「そう、先の方から…ね」
ぴちゃ。ぴちゃ。
「ふぅ…んむっ…くぅん」
僕は、いつの間にか舌を伸ばして、ソレを舐めていた。それが、とても自然な事であるかのように。
「そこで、筋に沿って…」
目を細めながら指示を出す姉は、僕の秘所を足で攻めるのも休めなかった。
しかし、姉は唐突に僕に出していた指示を止めると、言った。
「ああ、やっぱりまだ下手ねぇ。仕方ないわ。のどを使わせてもらうわね」
「ひぃん・くぁう…うむっっ!?」
姉は、僕にソレを咥えさせると、猛然と突き込んできた。
のどの奥を容赦なく突かれ、ただ僕は性欲処理の為の道具と化していた。
「ふぅ。いい感じよ、祐ちゃん。お口に出してあげるから、こぼしちゃ駄目よ」
勝手な事を言う、姉。
そして、ほどなくして姉は僕の口の中に精を放った。
びくん。びくん。ソレが大きく痙攣し、大量の精液を吐き出す。
「んぐぅっ!!?…っむぐっ、げほんげほん」
僕は、あまりのその生臭い量液体の多さにむせて、床に大分撒き散らしてしまった。
「あらら、こぼしちゃ駄目って言ったのに。お仕置きね」
「げほっ、げほっ。お、お仕置き?」
「そ。…そうね、祐ちゃんが床にこぼした分、ちゃんと奇麗にしなさい。
もちろん、舌でなめ取るのよ。犬みたいに這いつくばってね」
「あぁ…」
もう僕には、その命令に逆らうだけの気力は残されていなかった。
ゆっくりと両手を床につくと、飛び散った白い液体を舐めとっていく。
屈辱的な行為に、体が震える。
そんな僕を、姉は微笑みながら眺めていた。