『…ん…う…うん…』
なんか妙に寝苦しい…つうか下半身のあたりが変に熱い…
『…う…ん…んん!?』
気になって目を開けるとなぜか翔が布団をめくって俺の上にのしかかり、俺の、その、股間を手で撫でていた。
『な、ななな、なにやってんだ翔!?』
思わず体を起こそうとする、起こそうとするのだが何故か動かない。
『なにって、見りゃ分かんだろうが。それともそんなことも理解できねえほどアホなのかお前は?』
何時も通りの口調で俺を馬鹿にする翔。だがやっていることは何時も通りではない。
『だってお前…なんで、その、こんな…やめてくれ』
俺の言葉に耳をかさず白く小さな手で俺の股間を撫で続ける翔。それに反応して俺の息子も次第に元気になっていく。
『うわ。大きくなってきた…きめえ。つうか朝の時も思ったけどお前けっこう大きいのな』
そうだろう、そうだろう。俺は自分の息子の立派さには少々自身がある、ってそういうことじゃなくて!
『キモいと思うのなら止めてくれ! なんでこんなことするんだ翔』
翔の手から与えられる快感を我慢しながら怒鳴る。気持ちいいがこんなことをするのはマズい。
『うっせーな! 怒鳴んじゃねえよボケ! 俺がやりたいからやってんだよ。てめえは口だしすんじゃねえよ』
そう言って今度は俺のズボンを脱がしトランクスの中に直接手をつっこんで俺の息子を直に握る翔。
手から翔の体温が伝わる。それに反応して俺の息子は勝の手の中で“ビクン”と跳ねた。
『……く!?』
『げ、もう我慢汁が出てやがらあ。汚ねえ』
そう言いながらも俺の息子の亀頭を指でいじり、もう片方の手で全体を擦る。
何の前触れもなしにいきなりするから俺は思わず射精しそうになった。
『…っう!』
手を思いっきり握りしめなんとか堪える。
だが連続的に与えられる刺激にそう何度も耐えられるとは思わない。
俺はたまらなくなってもう一度怒鳴った。
『もうやめろ翔!いくらなんでもこれはおかしいぞ!!』
それを聞いて翔は手の動きを止める。よかった。止めてくれたか。
『分かった。じゃあ手でするのは止めてやんよ。その代わり…』
『な!!?』
翔は俺のトランクスをずりおろした。
『…はむ』
熱を帯びて赤く染まった翔の顔が俺の息子に近づく。なんとか止めようとするが体がまともに動かない。
そのままあろうことか翔は俺の息子を自分の口に銜えた。
『手でふんのがだめなら…口でひてやふよ…』
『ぐっ!』
翔が喋ると鼻息が直に俺の息子にかかる。それだけでさらに興奮してしまう。その様子を満足げに確認してから翔は口を動かした。
『ふふ。…んん、ちゅ…ちゅぱ…んぶ…んちゅ…』
そのまま瞬はフェラチオを始める。初めてとは思えない舌使いだ。
とは言っても俺も女の子にこんなことをしてもらうのは初めてなわけだが…
カリの部分を舌で舐め回し、唇をきゅっとしめて前後にゆっくりとピストン運動をしている。
強烈な快楽に俺は我を忘れて浸っていた。
『…んむ…ちゅ、ちゅ…ずちゅ…んん…ふ…ちゅば…ちゅ…』
翔の唾液が口の中で俺のカウパー腺液とミックスして息子がぬるぬるしているのが分かる。
女の子が一生懸命俺の息子を口に銜え、舐めている姿はあまりに官能的だ。
『…ん、んちゅ…ふぁっ…ずぶ…ちゅ、ちゅば…ぷは…』
心地のいい唇の感触が芯から背中まで突き抜ける。思わず俺はビクッと身を震わせてしまった。
非常に気持ちいい。今まで味わったどんな刺激よりも…
『んぁっ…ん、ん…ふぁ…んちゅ…ちゅぱ…んぶ…ず、ずず…』
うらすじを舌が往復し尿道まで吸われる。俺はたまらなくなり腰をもじもじと動かしてしまう。
『うぐっ!…っ!』
そんな俺の様子を見た翔は意地悪そうに笑って
『…んん…ふぁ…ぷは……へへ、気持ちいいんだろ?』
なんて上目遣いで訊いてきた。ものすごい破壊力だ。それだけで果てそうになるくらい。
そして身を震わす俺を嬉しそうに見てから再びイチモツを口に含みさっきよりも早いスピードでピストン運動を始める。
『…ちゅ、んちゅ…じゅぼ…じゅ…じゅじゅ…じゅぼぼ…じゅぼじゅぼ』
先ほどまでよりさらに激しい刺激が連続して与えられる。射精感がせり上がってくるのが分かる。
『…ん、ちゅぼ…じゅ、じゅぼじゅぼ…ちゅ…んぁ…ちゅぼちゅぼ…じゅじゅ』
徐々に翔の動きが速くなる。口の動きに合わせ翔の顔が前後に揺れているのが見える。
それに比例して俺もどんどん高まっていく。もはや暴発してしまう寸前だ。
『くちゅ…ちゅ、ちゅ…んく…んちゅ…ちゅっぼちゅっぼちゅっぼちゅっぼちゅぼ』
…ぐ!? も、もう限界だ…!!
『んぶ!? んん……んくっ…ん…ごくんごくん…』
勢いよくザーメンが翔の口の中に放たれる。
俺が射精しても翔は口を離さずそのまま放たれた精液を一度口の中に溜めてから、唾液と共に“コクンコクン”と飲み干した。
『ぷはぁ…にがぁい…』
その様子を見てゾクゾクと背中が震えた。
「もっと快楽を味わいたい」
火照った頭を支配する本能が体に行き渡る。俺は精液を飲み干して俺を上目遣いで見上げている翔を見る。
『んふふ…』
翔は今まで見せたことのない妖艶な笑みで返す。
俺はいつのまにか動く体を使いこんどは逆に翔を押し倒した。
ピピピピピピピ!
『つぁ!!翔!!』
…あれ?
気が付くと朝になっていた。俺は普通に布団を被りさっきまで寝ていたようだ。部屋に誰かが入った痕跡はない。
と、するとさっきまでのは…
『夢か…』
夢オチとはなんてベタな。そりゃそうか、いくら女になったからっていきなり翔が俺にフェラチオなんてするはずがない。
ホっとした反面ほんの少し残念な気もするが…まあ、よかった。
でも何で俺が翔の淫夢なんか…
これはもしかすると死神13のスタンド攻撃か?……ありえないな。アホか俺。
『さてと、じゃあ翔を起こしにいかないとな』
そう思って立ち上がったが…股間になんか変な感じが……まさか、
『………うわっ』
確認すると、やっぱりと言うべきか夢精してた。夢精するのなんか中坊の時以来だ。
『元男に、しかも弟に犯される夢を見て夢精するなんて…俺、もしかして変態なのか』
と、ボヤいてみてもしょうがない。とりあえず着替えて翔を起こしにいくか…
朝食を済ませ先に家を出て行こうとする翔を呼び止める。
『翔、ちょっと待った!』
怪訝な顔して文句を言おうと口を開く翔をそのまま制して続ける。
『今日は一緒に学校行こう』
翔は台所のドアに手をかけたまましばらく停止していた。どうしたんだろう?
『ばっ、馬鹿か!? なんで俺がお前なんかと一緒に行かなきゃなんねえんだよ!』
怒鳴る翔。うん、その気持ちは分かるが今日は事情がある。今日ばっかりは俺がついて行かなくちゃならない。
何故なら…
『だって俺が先生ときちんと話し合わないといけないだろ?そ れとも翔が全部1人でやってくれるのか?
だいたい先生は今のお前が翔だとは分からないだろ』
以前も言ったが学校のことに関しては俺が翔の保護者代わりだ。両親は何もしてくれないのでしかたがなく、だけど。
『チッ、めんどくせえな…』
しゃあねえな、と言って俺を待つ翔。翔は今、学校指定の男子学生服を着ている。
当然今の翔にとってはかなりダブダブで、袖の部分が手の大部分を覆ってしまっており、またズボンの裾も地面についてしまっている。
かなり動きにくそうだ。
美少女がダボダボの学生服を着ているのは男的になにかくるものがあるのかもしれないが、俺は幸いと言うべきか何も感じない。
それにいちいち翔を意識していたら昨日の夢を思い出して妙な気分になりそうだ…
『う…っ』
いかんいかん自分で思い出そうとしてどうする? 平常心、平常心。
『なにキモい声出してんだよ。つうか何時まで人待たせてんだ。早くしろよな』
『あ…ああ、ごめん』
急いで朝食を平らげて、翔の後につづく。
すれ違う人の視線が痛い。
もっとも視線をそそがれているのは俺ではなく俺の後ろを数歩離れてついてきている翔に、ではあるが。
そりゃ(かわいい)女の子が男物の学生服を着ていたら誰だって気になるだろう。
しかもこの時間帯は通勤する学生やサラリーマンなどでけっこう人も多い。
少し時間帯をずらすべきだっただろうか…まあ、今更遅いが…
後ろをチラっと見ると翔が顔を伏せて恥ずかしそうに歩いているのが見える。
だがよっぽど腹が立っているのだろう。全身からドス黒い殺気が滲み出ている。
学校についてから俺は殺されるかもしれない。
『しかし驚いたな…本当に上村なのか…?』
職員室で翔の担当の西尾先生のところに翔を連れて行き話しを聞く。
西尾先生は学年でもやさしくて面白い先生だと生徒に人気がある。
そして必ず5時に家に帰るというポリシーを貫き通すというすごい人だ。
実は母さんの元同僚で俺と翔をけっこうよく面倒を見てくれていた。
問題行動を起こす翔をよくかばってくれたりもしてくれていた。
しかし翔はあまり西尾先生のことが好きじゃないみたいだ…
『はあ…まあ、そうッスけど』
そっけなく答える翔。西尾先生は興味深そうにふんふんと頷きながら翔を見てる。
その様子を見ていた他の先生たちも俺たちの方によってきた。
『ほう、本当にこの子があの上村ですか』
『わあ、すごい美人ね』
『いやほんと、こんなに可愛らしくなってしまって…』
口々に翔を見ては感嘆の声をあげる先生たち。
翔の方を見るとかなり苛ついているらしく唇を噛んでいた。これはまずい。
翔が何か言う前にさっさと話を進めないと…
『いや、あの…先生それで翔のことはどうなったんですか?』
それを聞いて、先生は“ポン”と手を叩いて思い出したように話し始めた。
『ああ、そうだったな。え〜とまずは学校のことについてだが、これは問題ない。普段通りに通ってくれ。
あと制服はやっぱり女子の制服を着たほうがいいということになってな。
明日届くらしいから悪いけど明後日から着てきてくれ。あ、制服の金はいらんぞ。
クラスの方には俺の方からホームルームで先に話しておくから。上村、悪いけどしばらくしてから入ってきてくれるか?
あと出来るだけこのことは広めないようにするが…お前も嫌だろうからな、けどある程度生徒の間で広がってしまうのは勘弁してくれな』
それを聞いた俺は一礼して職員室を後にした。
翔が恨みがましくこっちを見ていたが気にしない。気にしない…。危険は後でやってくる。
あとは西尾先生がうまくやってくれるだろう。
ちなみに俺は翔のクラスの4組の2つ向こうの6組である。うちの学校、東南高校はけっこう大きなところなので1学年だいたい7クラスほどある。
『ウィッス』
教室のドアを開けて中に入ると、さっきまで教室の端の窓の所で話していた2人組のうち1人が俺の方によってきた。
『おはよッス。なあなあ聞いてくれよ。俺、昨日偉業を成し遂げたんだぜ』
この茶髪の男の名前は谷川稔。俺の友達つうか一応親友かな。顔はすごくいい。
ちなみにうちの学校は髪染めるのはアウトだから、こいつも先生に目をつけられてる。
男の時の翔が可愛い系の美形だとすると、こいつはかっこいい系の美形だ。じゃあ女にはすごくモテるんだろうと言えばそうでもない。
何故なら…
『昨日TUT○YAでAV10本借りたんだ。夕方の5時に。
しかもレジの店員が若いおねえさんでさ。顔真っ赤にしてたぜ。どうだ?すごいだろう』
この通り、すごいアホだから。あまりにアホ。
喋らなければいくらでも女の子がいくらでも寄ってくるだろうに…なんて顔の無駄遣いだ。
町中で20人の女の子にナンパしても、よくて1人しか引っかからないからな。
それでも1人引っかかるんだからすごい方なのか?
まあ、その娘はこいつの顔しか見てないだろうけど…
『おい、貴志呆れてるだろうが…』
稔の後からこっちにやってきたのが高橋順次。こいつも俺の親友。稔と違い顔はごくごく普通だが稔よりも遙かに常識人。
そのためか彼女もいる。こいつは剣道部に所属しているのだが彼女の吉永茜さんも同じ剣道部だ。
ちなみにけっこう可愛い。また剣道もけっこう強いらしく個人で全国大会1歩手前までいったこともある。
『そんあことねえよ。なあ、貴志?』
『お前アホだろ?』
なるべく親しみを込めて馬鹿を馬鹿にする。馬鹿は馬鹿だから馬鹿にされても笑っている。
『そういやお前、昨日なんで休んでたの? 1年の頃は皆勤賞で2年になっても遅刻1つしたことなかったのに…』
順次が不思議そうに訊いてくる。さて、どうするべきか? 本当のことを言うべきか…
まあ、どっちにしろすぐに学校中に広まるだろうし今のうちに言っておくか。
『分かった。じゃあ事情話すからトイレまで来てくれ』
教室で話して誰かに聞かれたらまずい。
『なに? ここじゃ話せないことなのか?』
稔が怪訝そうな顔で訊ねる。うん、ここじゃ話せないことだ。
『いいから聞きたかったらついて来てくれ』
トイレに誰もいないことを確認して2人におおまかな事情を話す。2人ともさすがに信じられないって顔をしていた。
『その話マジなのか?』
『マジ』
まあ、信じられないだろうな。俺も実際この目で見なかったら信じられなかっただろう。
『あのヤンキーが女の子にか…可愛いのか?』
なんか微妙にひっかかる質問をする稔。こいつホント頭には女のことしかないのか…
『まあ、俺が言うのも何だけどすげえ可愛い。でも元は翔だからな』
順次はまだ全部は信じてないようだが、稔は可愛いと聞いたらあっさり信じたようだ。
やっぱり馬鹿だな。助かるけど。
『へへへ、分かってるって。手なんかださないよ(たぶん)』
稔はニタニタしている。こいつ何考えてんだ…
しかし何だかんだ言っても順次も1時間目が終わった頃には俺の話を信じていた。
それもそのはず4組で騒ぎになっていたからな。
どっから聞きつけたのか、2年だけでなく3年、1年も4組の教室の前に群がっていた。
うちのクラスの連中も男女問わず大半が見に行ったようだ。
4組の前からは『きゃー!かわいいー!』とか『うわ!すげえマジかよ』『俺と付き合ってくれ!!』なんて声が聞こえる。
俺、今日家帰ったら翔に殺されるかもしれない。八つ当たりで。
『あの話マジだったんだな…』
順次が呆然とした顔で俺に話しかけてきた。信じられないといった表情だ。こいつ現実主義者だからな。
『だから言ったろ、マジだって』
そんなことを話していると4組に翔を見に行っていた稔が“ダダダダッ”と走って帰ってきた。
『ホントにすげえ可愛いじゃん。思わず告白しちまったぜ』
さっきの「俺と付き合ってくれ!!」ってお前かよ!
『お兄さん。妹さんとの交際を許してください!』
『断る!』
アホかお前。生まれ変わって出直してこい。
今日もいろいろあったな。翔は…
学校から帰宅した俺はビクビクしながら翔が帰ってくるのを待っていた。
結局今日で翔が女の子になったことがほぼ学校中に知れ渡ってしまい、翔がブチ切れて怒鳴る声が何度も4組から聞こえてきた。
まあ、しかたないな。某レッサーパンダよろしくいろんな人間が見に来てたからな。
あんなにもみくちゃにされたら誰だって怒る。むしろ沸点の低い翔がよくあれだけ我慢できたものだ。
その分とばっちりは俺にくるわけですが…
だから翔が帰ってくるのが恐い。
翔も俺と同じで帰宅部だからそろそろ帰ってくるはずなのだが……もしかしてまた友達と遊んでるのかな。
今日はそっちのほうが嬉しい。
しかし期待を裏切り翔は帰ってきた。玄関のドアが開く音が聞こえる。
『よ、よう。翔…その、おかえり』
翔の全身からは憤怒の怒気が空気中に立ち上っている。予想はしていたがこれはマジでマズい。
『きょっ、今日は大変だったな…』
声もつかえぎみだ。これから怒るであろう恐怖に全身が震える。
う、うろたえるな! ドイツ軍人はうろたえない!
『……お前が、学校行けなんて…言わなかったら…』
普段は聞いていて可愛らしいと思う声も今は恐い。まるで地獄の底から響いてくるような声に聞こえる。
翔の拳がプルプルと震えている。
某ギャンブラーの声が聞こえてくるようだ。
ひ…ひと思いに右で…やってくれ
NO! NO! NO! NO! NO!
ひ…左?
NO! NO! NO! NO! NO!
り…りょうほーですかあああ〜
YES! YES! YES! YES! YES!
もしかしてオラオラですかーッ!?
YES! YES! YES! “OH MY GOD”
…つつつつ、それはマズすぎる。死亡フラグだ。なんとか、なんとかしないと…
『そ、その大変だったと思うけど…し、しかたがないんじゃな、ないか。
だって今の翔はあの、す、すごく可愛いし、見てみたいと思うのは人の情ってゆうか…』
なんか言い訳にすらならないような言い訳を今まさに腕を振り上げようとする翔に向かって言う。
しまった!? 逆効果だったかもしれない。が…
『…………』
翔は振り上げた腕をおろし、俺を睨んできた。やっぱりだめだった?
『その…おまえも…可愛いと…思うのか?』
へ?
『あ、ああそりゃ』
なんだ?
『…そ…そうか…』
そう呟いて俺に背を向け自分の部屋に行こうとする翔。なんか知らんが助かった?
『い、言っとくけどな。お前が可愛いなんてすげえキモいこと言うから、あまりにキモくて触れるのも嫌だっただけだからな。死ねよクズ』
去り際に俺に向かって暴言を吐く。まあ、殴られるよりはマシか…